先週のアドテクシーン:サイバーエージェント、AIで広告効果の出せるモデルを生成して育成
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
【トップニュース】
サイバーエージェント、AIで広告効果の出せるモデルを生成して育成
サイバーエージェントは、AIを活用し広告クリエイティブを制作する「極予測AI」の効果予測技術と、CyberHuman ProductionsのデジタルヒューマンCG制作技術を用いて、企業やブランド毎のターゲティングに適した人物モデルをオリジナル生成し、さらにAIで「広告効果の出せるAIモデル」へと育成していく「極予測AI人間(キワミヨソクエーアイニンゲン)」を11月より提供する。
企業ブランディングに適したモデルの制作キャスティングおよび、多種多様な髪型・ポーズ・ファッション・シチュエーションの表現や、コロナ禍で起用が難しい外国籍のモデルも生成が可能。撮影や表現の様々な制約や契約条件にとらわれることなく、広告クリエイティブを制作することができる。
【イベント】
LIVE BOARDがプログラマティックOOH広告セミナーを開催―11/26・ウェビナー
デジタルOOH広告(DOOH)配信プラットフォームのLIVE BOARDが、11月26日(木)、オンラインにてプログラマティックOOHをテーマとしたセミナーを開催する。
今回のウェビナーでは、日本初のインプレッションベースでのプログラマティックOOHを展開する「LIVE BOARDマーケットプレイス」の現状と、デジタルOOHの今後の展望について解説。またOOH広告における広告主の課題解決に向けて、データに基づくメディアプランニング手法や効果測定について事例を交えて紹介する。
(Sponsored by LIVE BOARD)
【新サービス・新機能】
電通、広告主間でテレビスポット広告枠を組み換え、CM効果を高める新システム「RICH FLOW」(β版)を開発
電通は、テレビスポット広告において、複数の広告主間で広告枠の組み換えを行い、広告効果を向上させる最適パターンを提案する新システム「RICH FLOW(リッチフロー)」(β版)を開発した。
AIを活用し、各社が取得したテレビスポット広告枠の中で、広告主のニーズに基づく最適な組み換えパターンを特定。対応可能な放送局と連携し、適切に広告枠の組み換えを行うことで、より効果的なテレビスポット広告の出稿が可能となる。
TEADS、デジタルナレッジ eラーニングプログラムの提供を開始
Teadsは今春より開始したウェビナーシリーズの成功を踏まえ、オンラインe-ラーニングプログラム「Teads Academy」の正式リリースをした。
このプログラムには、社内外のプロフェッショナルリーダーによるトレーニングが一挙に収録されており、テクノロジー、トレンド、データインサイトの理解に役立つように設計されている。
クライアントとパートナーは、ブランドセーフ、品質の高いジャーナリズムの担保、Cookieを使用しないターゲティング手法、予測型AIの仕組み、クリエイティブの最適化などのコアなテーマを学ぶことができる。
フォーエム、All in Oneのメディア・ECグロースプラットフォーム「AnyManager」をローンチ
Web Publisher及びApp Developerのメディアパートナー事業を主事業として展開するAnyMind Groupのフォーエムは、メディア・ブランド運営企業を対象として、メディアグロースを支援する「AnyManager」をローンチし、サービスの提供を開始した。
メディア・ブランド運営企業は、このプラットフォームの一機能であるダッシュボードによって、収益・ユーザーデータを可視化することが可能になる。また、AMP化機能やPWA化機能によってユーザーエンゲージメントを向上させることができる。
Legoliss、高精度なオリジナル位置データを加味したジオターゲティング広告配信サービス「GeoLad」の提供を開始
Legolissは、位置情報をベースとしたジオターゲティング広告配信サービス「GeoLad(ジオラド)」の販売を開始した。
テクノロジープラットフォームパートナーとしてXandrを選定し、戦略的バイイングプラットフォームである「Xandr Invest」を通じて、訴求したい対象ユーザーの特定とダイレクトな広告配信が可能になる。
アドウェイズ、メイクをAR機能で試すことが可能な「AR バーチャルメイク広告」の提供を開始
アドウェイズは、Web AR(拡張現実)を活用した新しい体験型広告「AR バーチャルメイク広告」の提供を開始した。
専用アプリのインストールの必要はなく、ユーザーの顔をスマートフォンのブラウザ上で認識し、リップ等の商品を実際にメイクしたかのようなバーチャル体験ができ、気に入った商品をそのまま購入することも可能。
また、「AR バーチャルメイク広告」は、バーチャルメイク機能だけでなく、ブランドオリジナルの背景やフィルター、BGM等を用意し、よりブランドの世界観を体験できる全く新しい形の体験型広告となる。ブランドオリジナルのフィルターやBGMを提供することで、ARを通じて、バーチャルメイク体験やブランドの世界観を訴求していくことができ、商品やブランドの魅力を、よりリアルに訴求することが可能となる。
【サービス連携・業務提携】
ブレインパッドとセキュア、リテール領域のDXを進化させる 店舗連動型データ活用ソリューションの構築を開始
ブレインパッドとセキュアは、デジタル/リアルのデータを統合しマーケティングに活用する、店舗連動型データ活用ソリューションの構築に向けて協業することを発表した。
両社は、ブレインパッドが提供するデータビジネス・プラットフォーム「Rtoaster(アールトースター)」と、セキュアが提供する未来型無人化店舗「SECURE AI STORE LAB™(セキュア・エーアイ・ストアラボ)」の連携により、ウェブサイト等から取得できるデータと店舗内で収集されるデータの統合・活用によるニューノーマルの買い物体験の実現と、リテール領域におけるDXの進化を目指す。
ADKマーケティング・ソリューションズ、TOKYO FMと共同で、「ブランデッドオーディオコンテンツ」による「来店意向・喫食意向」の行動喚起を実証
ADK MSは、TOKYO FMと共に、楽天インサイトのモニターに対し、TOKYO FMのオーディオコンテンツプラットフォーム「AuDee(オーディー)」にて2020年8月に配信した松屋フーズ提供のブランデッドオーディオコンテンツ「劇団松屋」のブランドリフト調査を実施した。
この調査により、コンテンツ接触者の来店意向および喫食意向の上昇に寄与したほか、「広告・宣伝と分かっていても続きが聴きたくなる」「楽しみながら聴ける新しい広告・宣伝コンテンツ」といった結果となるなどの効果が明らかになった。
【決算】
Zホールディングス、20年7-9月期の広告関連収益は838億円、前年比2%増
Zホールディングスは、2020年7-9月期の決算を公表した。
広告関連収益は、838億円で、前年比2%増。前四半期(4-6月期)の791億円、前年比1.2%増から更に収益額と前年増率を伸ばしたことになる。
7-9月期の広告関連収益を商品別でみると、検索連動型広告は前年比-3.1 %減とコロナ影響による広告主の出稿減を受けて苦戦したが、ディスプレイ広告が7.2%増と好調に推移した。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。