先週のアドテクシーン:ヤフー、リアルタイム不正解析機能を導入しアドフラウド排除とブランドセーフティ制御を強化
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
【トップニュース】
ヤフー、リアルタイム不正解析機能を導入しアドフラウド排除とブランドセーフティ制御を強化
ヤフーは「Yahoo!広告」のさらなる安全性向上を目的に、インターネット広告取引で発生するトラフィックの品質や掲載先の品質などの解析サービスを提供するDoubleVerifyと契約を締結した。
Yahoo! JAPANは、これまでもアドフラウドやブランドセーフティ制御などに独自の対策をしているが、この締結により、広告主は2021年春より特別な手続きを行うことなく、グローバル水準の解析力を持つDoubleVerifyによるアドフラウドおよびブランドセーフティ制御が標準実装された環境で「Yahoo!広告 ディスプレイ広告」を利用できるようになる。
なお、これによる広告料金やこの機能の利用費などの追加は一切ないとのこと。
【新サービス・新機能】
CyberZ、当社独自のマーケティングプラットフォーム「ZIRS」において、SKAdNetworkに対応
CyberZは、広告代理事業におけるiOS14以降の広告運用を強化するため、同社独自のマーケティングプラットフォーム「ZIRS(ジルス)」において、SKAdNetworkに対応した「ZIRS for SKAdNetwork」の提供を開始した。
Appleが提供する、SKAdNetworkという新しい計測の仕組みの仕様に則り、同社独自のレポーティングシステム「ZIRS」にSKAdNetworkを対応させることで、これまでの広告運用に可能な限り近づけた運用をおこなっていく。
電通テック、「インフルエンサーコマースソリューション」を提供開始
電通テックは、インフルエンサーを活用しライブコマースでの売上拡大を支援する「インフルエンサーコマースソリューション」の提供を開始した。
オンライン上で販売員の役割を担うインフルエンサーの熱意を引き出しブランドの真のファンに導くプランニングから、店頭の活用やLPコンテンツの設計など、周辺施策も含めたライブコマースプラットフォームの運営実施・設計を行い、成果につなげるライブコマースを実現し、売上拡大を支援する。
Adjust、サブスクリプション計測機能をリリース - ROIを向上させる正確なLTVモデルの構築が可能に
adjustは、サブスクリプション計測機能をリリースした。
モバイルアプリのサブスクリプションビジネスが大きく成長する中、マーケターはこの新機能を使ってサブスクリプションのパフォーマンスをより詳細に可視化できるようになる。
インティメート・マージャー、「Performance DMP」 リアルタイム属性解析を利用したパフォーマンス改善を実施
インティメート・マージャーは、2022年に予定されているさまざまな3rd Party Cookie規制に向けたデータ収集の規制に合わせたソリューション開発を10月1日より開始しており、同社が提供する成果報酬型ディスプレイ広告サービス「Performance DMP」において、リアルタイム属性解析機能を利用し、パフォーマンスを強化した。
博報堂プロダクツ、InstagramなどのARコンテンツ開発支援サービスを開始
博報堂グループの総合制作事業会社、博報堂プロダクツは、社内に発足した次世代型コンテンツ開発チームを通じて、専用アプリ不要でAR体験を実現するSpark ARを活用したInstagram、Facebookの「ARコンテンツ開発支援サービスの提供」を開始した。
長年グラフィック制作領域で培ってきたグラフィックデザイナーのデザイン力と3Dクリエイターによる空間コンピューティング技術をかけ合わせることで、新しいARのクリエイティブ表現を実現する。
【サービス連携・業務提携】
CCI、ABEMA、Quark tokyo、Mediator、動画コンテンツマーケティング支援を ワンストップで提供する共同プロダクトを販売開始
CARTA HOLDINGSのサイバー・コミュニケーションズは、AbemaTV、Quark tokyo、Mediatorと共に、動画コンテンツマーケティング支援をワンストップで提供する共同プロダクトの販売を開始した。
Quark tokyoの「QT by quark tokyo」にて制作した3分~5分尺のオリジナルミニ番組を「ABEMA(アベマ)」の編成番組枠とCM枠にて配信する。
LIVE BOARDとD2C、屋外DOOH視聴者にメール配信
LIVE BOARDとD2Cは、LIVE BOARDが展開するデジタルOOHを見たと想定されるユーザーに対し、D2Cが広告販売を行うNTTドコモのスマートフォン向けメール広告配信サービス「メッセージS」を送信する「モバイル連動パッケージ」をリリースした。
LIVE BOARDマーケットプレイスで広告を配信した時間帯に、メッセージSで定義されたジオフェンス内に入ったユーザーへメール広告を配信することが可能。これにより、デジタルOOHで広告を見た可能性の高いタイミングに合わせてメッセージSを配信することで、商品・サービスの概要やキャンペーンの詳細情報を配信することが可能となる。
【調査】
AppsFlyer、モバイル広告のメディアソースランキング「パフォーマンスインデックス」第11版(2020年上半期)を発表
AppsFlyerは、2020年上半期(1〜6月)における世界のモバイル広告のメディアソースランキング「パフォーマンスインデックス」第11版を発表した。
同インデックスは、当社が年2回発行しているモバイル広告業界に関する最新の調査レポート。以下のようなトピックスとともに発表を行っている。
■Facebookがモバイルアプリ広告の総合第1位に。Googleも依然好調
■Unity Adsが規模拡大によりゲーム3強から一歩リード、日本・韓国市場でも高パフォーマンス
■新型コロナウイルス感染拡大が影響するなか、Apple Search Adsが例外的に急成長
楽天、オフラインマーケティングソリューション「RMP - Omni Commerce」においてレシートデータを活用した「レジ袋の購入に関する分析結果」を発表
楽天は、オフラインでの購買データに基づくIDマーケティングソリューション「RMP - Omni Commerce」において、「レジ袋の購入に関する分析結果」を発表した。
レジ袋有料化が開始された2020年7月1日(水)から、7月31日(金)までの1カ月間、レシート画像を送付すると「楽天ポイント」を獲得できるサービス「Rakuten Pasha」を通じて蓄積した、一部のコンビニエンスストア、スーパーマーケット、ドラッグストアのレシートデータを対象として実施した。調査結果のトピックスは下記の通り。
■レジ袋購入率はコンビニエンスストアが6.7%と最も高い結果に
■レジ袋購入率は20代が最も高く、60代が最も低い
■コンビニエンスストアでは、夜間・早朝におけるレジ袋購入率が高い傾向
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。