先週のアドテクシーン:SMN、国内大手テレビメーカー4社のテレビ視聴データを活用した広告配信サービスを開始
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
(本回は、過去2週間に亘るまとめをお届けします)
【トップニュース】
SMN、国内大手テレビメーカー4社のテレビ視聴データを活用した広告配信サービスを開始
SMNは、国内大手テレビメーカー複数社がユーザーから広告用途への利用を許諾され取得しているテレビ視聴データと、SMNが保有するデジタルメディアの接触データを基にした広告配信を実現するデータ活用サービス「Connected TV Data Bridge」の提供を2020年9月29日より開始した。
ソニー、パナソニック、シャープ、東芝映像ソリューションの約500万台(2020年9月29日現在)のテレビ視聴データと、SMNのデジタルメディアの接触データ(スマートフォン、PC上で閲覧したWebやアプリの行動データ、約3.3億ID)を、専用のDMP「TVBridge DMP」に集約し、プライバシーに考慮した形で様々なメディアに対し広告配信を行うことができる。
【新サービス・新機能】
トレンダーズ、文字入れ系インフルエンサー特化型のInstagram広告プランを提供開始
トレンダーズは、インフルエンサーが作成した文字量の割合が大きい画像を広告クリエイティブとして活用する、Instagram広告プラン「もじふる」の提供を開始した。
これによって、文字量の多い画像を投稿する「文字入れ系インフルエンサー」が熱量高く作成した画像を、Instagram広告として配信することが可能となった。
今回のサービス提供開始に先行しておこなった事例では、「もじふる」で配信した文字量の多い広告は、従来の文字量が少ない広告に比べて、CTRが127%に向上(もじふる:約1.4%、従来の広告:約1.1%)したという。
CCI、EC領域支援のワンストップサービス「Commerce Container」の提供を開始
サイバー・コミュニケーションズは、企業のEC販売戦略を支援するサービス「Commerce Container」(コマースコンテナ) の提供を開始する。
本サービスはGROOVEとともに、各種ECモール全般における販売戦略構築から制作、運用及び分析までをワンストップで支援する。
サイカ、テレビCMを成果報酬型で提供開始
サイカは、次世代型テレビCM出稿サービス「XICA ADVA(サイカアドバ)」を2020年9月29日より提供開始した。
テレビCMの全ての出稿プロセスにデータサイエンスが実装された、国内初、データ分析に基づき売上などの事業成果にコミットする成果報酬型のテレビCM出稿サービスとなる。
電通デジタル、デジタル広告の最適な表示回数の上限を算出するツールを提供開始
電通デジタルは、デジタル広告の最適な表示回数の上限を導き出すツール「Frequency Cap Optimizer™」(フリークエンシー・キャップ・オプティマイザー)を開発し、提供を開始した。
Facebook社の提供するマーケティングAPIとのデータ連携により、より柔軟な配信条件(配信セグメント・広告予算・配信期間)の設定と、Facebook社の広告在庫(表示可能な回数)を加味した精緻な算出が可能となった。
インティメート・マージャー、3rd Party Cookieに依存しないポストCookie領域のサービス拡充の開始を公表
インティメート・マージャーは、2022年に予定されているさまざまな3rd Party Cookie規制に向けたデータ収集の規制に合わせたソリューション開発を開始したことを公表した。
アドテクノロジー業界をはじめデータマネジメントにおける領域を牽引してきた知見を活用し、3rd party cookieの規制による影響を受けない技術や、実際のマーケティング活動における対応方法など、データテクノロジー領域(ポストクッキーデータマネジメント)のサービスのラインナップを拡充していく。また、開発段階から、進捗や改善状況などを定期的に発信し、AIや自動化、プライバシー強化といったさまざまな観点から、「ポストCookie」に関するデータ分析・活用環境や連携といったデータマネジメント理解の促進を目指していく。
【サービス連携・業務提携】
エフエム東京と博報堂DYメディアパートナーズ オンデマンド音声ビジネス領域における協業を開始
エフエム東京と、博報堂DYメディアパートナーズは、オンデマンド音声ビジネス領域において協業し、組織的連携を図ることで合意した。
両社の持つ強みをかけ合わせ、オンデマンド音声コンテンツの企画開発・制作・販売・仕入れ、両社の持つプラットフォームや広告開発・販売の連携などを推進していくことで、オンデマンド音声ビジネス領域での業務拡大を図り、市場拡大の可能性を探索していく。
ホットリンク、映像制作プロダクションのシングメディアとSNS動画領域で業務提携
ホットリンクは、 映像制作プロダクションのTHINGMEDIAと業務提携契約を締結した。
同社の強みであるソーシャルメディアマーケティングの専門性と、シングメディア社が持つSNSライブ配信支援技術およびクリエイティブ制作力を誘導させたサービス提供が可能となる。
ジーニーとヒット、オンラインDOOHプラットフォーム「HIT-DSP」を開始
ジーニーとヒットは、ヒットが保有する大型屋外広告ビジョンと、ジーニーがもつDSP広告運用技術を掛け合わせたDOOHプラットフォーム「HIT-DSP」のサービス提供を、2020年10月1日に開始した。
広告主や広告代理店は、同サービスの活用により、1日単位での広告枠の申込みや広告素材の入稿を、すべてオンラインで行うことができるようになる。
ADK MS、Momentumの「HYTRA DASHBOARD Channel Safe List」導入開始
ADK MSは、Momentumの提供する、YouTubeにおいてブランドセーフティな広告配信を可能にする配信推奨チャンネルリスト提供サービス「HYTRA DASHBOARD Channel Safe List」の導入を開始した。
「HYTRA DASHBOARD Channel Safe List」は機械的な判定アルゴリズムの構築に加えて、精度を保つために専任のオペレーターによる目視でのチェックを行い、ブランドセーフなYouTubeチャンネルを選定した広告配信推奨チャンネルリスト。ADK MSは、今回、このリストを利用することにより、動画広告領域においても、信頼性の高い広告配信環境を提供することが可能となった。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。