ネット広告事業は前年水準を維持-サイバーエージェント20年4-6月期決算-
サイバーエージェントは7月22日、2020年9月期第3四半期の決算発表を行った。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言下の期間に該当する4-6月期の同社全体売上は、1128億円で前年比0.7%減とほぼ横ばい。営業利益は82億円で前年比12.3%減。期初の見通しの範囲に推移。
同社代表取締役社長 藤田晋氏は、「もう少し新型コロナウイルスの影響を受けそうであると、保守的に見ていたのだが、思ったより業績は堅調に推移した。」と振り返った。
ABEMAを含むメディア事業は、「ABEMA」の広告収入に新型コロナの影響があったものの、売上は1133億円で前年比19.2%増、営業損失は40億円。
ゲーム事業は堅調に推移し、売上は367億円で前年比4.0%減。営業利益は75億円で前年比9.5%減。
インターネット広告事業は、新型コロナの影響を受けるも、巣ごもり需要を取り込めそうなデジタル関連の広告主への営業強化をしたことにより、売上は643億円で前年比0.01%増と、この状況下でも前年を上回った。営業利益は47.4億円で前年比6%減。
藤田氏は、「長年インターネット広告事業に関しても新規分野への積極的な先行投資を行っていたが、このコロナ期に花開いたものがいくつかある。」として、バーチャル撮影システムやスキャンカーによる広告クリエイティブ制作技術や、AIを活用し、広告クリエイティブの効果を事前に予測できる「極予測AI」の導入実績などについても紹介した。
7-9月期に関しては、「徐々に経済活動は再開してきているので、今後売上の拡大を改めて目指す」(藤田氏)とのことだ。
出典:同社IR資料
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。