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先週のアドテクシーン:電通、"人" 基点でのプランニングでテレビ広告評価を進化

 

 

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

【トップニュース】

 

電通、"人" 基点でのプランニングでテレビ広告評価を進化

電通は、高度化するテレビ視聴率データから、広告主のマーケティングターゲット(顧客像)を詳細に抽出・可視化し、そのターゲットがどれだけ視聴しているかという視点でテレビ広告枠を評価する新サービス「People Driven TV planning」を推進する

これにより、電通は"人"起点でのテレビCM出稿提案を強化していく。

 

【新サービス・新機能】

 

楽天、オフラインマーケティングソリューション「RMP - Omni Commerce」において、食品メーカーなどに向けた新メニュー「レシピタイアップ-トライアル促進パッケージ」を提供開始

楽天は、オフラインでの購買データに基づくIDマーケティングソリューション「RMP - Omni Commerce」において、食品メーカーなどに向けた新メニュー「レシピタイアップ-トライアル促進パッケージ」の提供を開始した

食品メーカーなどの各企業は「楽天レシピ」において、レシピを通じて自社商品を訴求し、見込み顧客に効率的にアプローチすることができる。さらに、掲載するレシピやレシピ動画は、「楽天レシピ」のサイト閲覧傾向なども参考に、楽天と共同で開発することも可能。また、本メニューで提供する購買分析レポートにより、実際の商品購買層の属性や「新規購買層か、リピート購買層か」、「その後のリピート購買層がどの程度いるか」など、今まで把握することが難しかったプロモーション効果をより詳細に把握することができる。

 

 

Supershipの「Ad Generation」、アドフラウド対策の強化と広告取引の透明化の推進に向け、TAGのCertification Authority IDを国内SSPで初取得

Supership「Ad Generation(アドジェネレーション)」は、WebメディアおよびアプリメディアにおけるRTB取引の透明性を高めるとともにアドフラウド排除への対策を強化するため、アメリカの認証機関Trustworthy Accountability Groupのメンバーシップに加入し、Certification Authority ID(以下、認証ID)を取得した

これまで認証IDは大手海外SSPのみが保有していたが、国内SSPにおいて認証IDの発行を受けたのは「Ad Generation」が初となる。

 

 

サイバー・バズ、SNSに特化したECコンサルティング事業を開始

サイバー・バズは2020年7月より、SNSに特化したECコンサルティング事業を開始し、Facebookショップに対応したSNSアカウント フルファネル型運用プランを提供開始した

同社の強みである、SNSアカウント運用代行事業で蓄積された知見、クリエイティブ力、ライブ配信ノウハウ、インフルエンサーマーケティングの知見を最大限に駆使し、Facebookショップにおける最適なコレクション作成等SHOPの運用を支援し、消費者が商品やサービスを認知してから最終的に購買などに至るまでのフルファネル型の運用を統合的にサポートする。

 

 

ソウルドアウト、中小・ベンチャー企業向けのマーケティング・経営データを統合・可視化するBI設定サービスをリリース

ソウルドアウトは、中小・ベンチャー企業向けにマーケティング・経営データを統合・可視化するBI設定サービス「SO カシカ」をリリースした

企業内にある、マーケティング、セールス、経営の領域のデータを、BIツールで表示できるように、設定、データ接続と提供、運用するサービス。また、Yahoo!・Google・LINE・Facebook・Criteoなどの、様々な広告プラットフォームや外部SaaSとAPI接続をした、SOカシカデータウエアハウスからのデータも、BIに接続・表示させることにより、より簡単に、BIで幅広いデータの表示、分析や活用ができるようになる。

 

 

サイバーエージェントのAIR TRACK、業種を考慮した高精度な来店予測を実現

サイバーエージェントは、AI事業本部の小売DXセンターにおいて、O2O販促プラットフォーム「AIR TRACK」のAI予測エンジン「AIR TRACK AI」のアップデートを行い、業種別でのユーザーの来店頻度の違いを考慮した来店予測モデルを追加した

これにより、来訪効率はアップデート前に比べ最大200%となり、来店単価の大幅削減を実現する。

 

 

オトナル、リアルタイムにメッセージを変化させる”ダイナミックオーディオ広告”の提供を開始

オトナルは、『Spotify』『radiko』『朝日新聞アルキキ』『ポッドキャスト』などのデジタル音声メディアにおいて、リアルタイムに音声広告クリエイティブを変化させ、自動最適化して広告配信を行う音声広告プラン『ダイナミックオーディオアド』を開始した

音声広告クリエイティブをリスナーデータやシチュエーションに合わせてリアルタイムに作成することで、広告主からのメッセージを音声メディアのリスナーひとりひとりにパーソナライズ化して語りかけるように、広告メッセージを伝えることが可能となる。

 

【資本提携・買収】

 

博報堂DYホールディングス、米国のコミュニケーション会社を買収

博報堂DYホールディングスの戦略事業組織 「kyu」は、米国のコミュニケーション会社「Godfrey Dadich Partners LLC(ゴッドフリーダディッチ)」の株式100%を取得したことを公表した

Godfrey Dadich社は、現在のメディア環境に最適な情報戦略を企画・推進するコミュニケーション会社。

 

【調査】

 

Teads調査、ユーザーアテンションを最適化したクリエイティブは広告認知度を25%高める傾向に

Teadsは、クリエイティブ最適化による効果調査において、消費者のアテンションを促すシンプルな最適化が、ブランド指標に大きな影響を与えていることを明らかにした

広告主8社がTeadsの調査に参加し、クリエイティブをデジタル向けに加工することによる配信結果におけるインパクトを測定。デジタル向けに加工したクリエイティブ素材は、広告アテンションと広告認知それぞれに効果をもたらした事が分かったという。また、平均的に広告アテンションが10%上昇すると広告の認知度も25%向上することが測定できたとのこと。この調査は2020年6月、英国、イタリア、ドイツ、スイス、インドで実施された。

 

【その他】

 

スマホアドネットワークのアキナジスタ、会社解散へ

MAIST、TAPONEなどのアドネットワーク事業者として知られるアキナジスタは、今年6月26日の株主総会で会社解散を決議した

2020年3月期は売上高9億8709万円(前年比48.5%)、営業損失1億5498万円。アドネットワーク広告の需要が衰退し、広告代理事業においては、主要広告案件が停止するなど、全体の収益構造は大幅な悪化。収益が見込めないサービスを停止するなどして経営のスリム化を図ってきたが、収益構造を抜本的に改善するには至らず、大幅な減収減益となった

同社の2016年3月期の売上は35億6394万円。その後は2019年3月期までは、年間20億円前後の水準で移していた。

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長  

慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。

国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。

2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。