Google、2022年までにChromeのサードパーティークッキーを廃止
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
【トップニュース】
Google、2022年までにChromeのサードパーティークッキーを廃止
Googleは、Chrome上のサードパーティークッキーのサポートを2022年までに段階的に廃止することを公表した。
ネット上でのプライバシー保護に対する声や規制が世界的に広がる中で、2019年8月にユーザーのプライバシー保護と、広告エコシステムとの両立を図るための取り組みに向けた初期提案として、プライバシーサンドボックスを発表している。
今後アドテク企業各社は大きな戦略の見直しを迫られることになる。
同発表があった1月14日、米国ナスダック市場のCriteo株価終値は、前日比でおよそ16%下落した。
【新サービス・新機能】
サイバーエージェント、イースト・ファクトリー社と共同で、タレントのYouTuber化支援
サイバーエージェントは、イースト・ファクトリー社と共同で、タレントのYouTubeチャンネル開設における企画・開発支援サービスを開始した。
イースト・ファクトリーが、コンテンツの企画制作を主に行い、サイバーエージェントが、メディアのプラットフォーム特性を理解した上で企画・開発、広告運用を行うことで、YouTubeチャンネルにおけるタレントの新たな活躍の場の創出および事業支援を目指す。
サイバーエージェントグループ会社のCA Young Lab(現Cyber Now)が2018年1月に公表したYouTuber市場調査によると、2020年のYouTuber市場規模は475億円を見込んでいる。
ADK、パフォーマンス・マーケティングに特化した新たなサービスブランド「ADK CONNECT」をアジアで立ち上げ
ADKホールディングスは、デジタル領域を中心にパフォーマンス・マーケティングをコアとしたソリューションを提供する新たなサービスブランド「ADK CONNECT」をアジアで立ち上げた。
データ収集・分析からクリエイティブ企画立案プロセスまでを完全統合したEnd to Endソリューションを提供。従来のADKの強みである戦略プランニング~クリエイティブ開発に加えて、Accountability(戦略開発のソースの確かさ)とMeasurability(キャンペーンの効果可測性)によって、企業のマーケティングROI最適化を目指す。
その一環として、ベトナムの独立デジタルエージェンシー「VietBuzzAd」の株式取得による買収をおこなった。
LINEが動画広告で新商品、「Talk Head View」の正式提供を開始
LINEは、 「LINE」アプリのトークリスト最上部に動画広告を配信できる新サービス「Talk Head View」の正式提供を開始した。
1日1社に限定し配信を行い、表示された静止画広告をユーザーがタップすることでエキスパンドされた動画広告が再生される。正式提供に先がけ2019年7月〜12月の期間中に行った先行提供では、24時間で5,000万人以上のLINEユーザーへ、15歳〜29歳においては90%以上のユーザーへのリーチを実現した。
スパイスボックス、顧客の趣味嗜好によって最適なインフルエンサーを選定する「トライブ・インフルエンサー」の提供を開始
スパイスボックスは、SNS上で趣味嗜好を共有するアカウントをトライブ化し、顧客起点でインフルエンサーを見つけ出して情報発信を行う「トライブ・インフルエンサー」の提供を開始した。
顧客起点でインフルエンサーをキャスティングすることが特徴。スパイスボックス独自のソリューションを活用し、商品やサービスと親和性の高いトライブを特定し、訴求したいトライブから頻度が高くフォローされている「インフルエンサー」を見つけ情報発信を行うことで、有効なインフルエンサーマーケティングを提供する。
【サービス連携・業務提携】
モメンタム、NeoReach社と提携し、インフルエンサーのフラウド検知サービスを提供開始
Momentumは、NeoReachと連携し、インフルエンサーにおけるフォロワー水増し等のフラウドを検知するサービスを提供する。
インフルエンサーマーケティングの領域で起きているフォロワーの水増しなどの不正を広義でのアドフラウドと捉え、同領域においてすでに高い実績を持つNeoReach社との提携によってインスタグラムでのインフルエンサーによるフラウドを検知するダッシュボードを新たに提供する。
NeoReach社では、これまで単一の特定したソーシャルメディアからしか行えなかった詳細なインフルエンサー情報の把握やフォロワーの属性分析を、複数のソーシャルメディアを横断して行うことができる独自の技術を有しており、インフルエンサーマーケティングにおける高精度なターゲットリーチを実現することで、2013年より北米を中心として多数の大手ブランドをサポートしている。
電通デジタルとチーターデジタル、ゼロパーティデータを活用したロイヤルティ戦略支援において協業
電通デジタルは、チーターデジタルと、クライアント企業のロイヤルティ戦略支援において協業することで合意した。
チーターデジタルの次世代マーケティング プラットフォーム 「Cheetah Digital Customer Engagement Suite」の日本展開を加速するために、電通デジタルとチーターデジタルは共同で同製品の市場への提案と実装を推進し、クライアント企業が求めるパーソナライズされた顧客体験、クロスチャネル メッセージング、ロイヤルティ戦略の実現を支援する。
同サービスにより、「ロイヤルティ マーケティング」と、顧客やユーザーが自発的に興味関心や嗜好を提供する「ゼロパーティデータ」を軸に、顧客一人ひとりに適したブランド体験の提供が可能となる。
【資本提携・買収】
マイナビ、動画CM広告配信プラットフォーム事業を展開する株式会社CMerTVへ出資
マイナビは、PC・スマートフォンを中心としたデジタル領域の動画配信プラットフォームを展開する株式会社CMerTVに出資を実施した。
今回の出資を通じて、CMerTVの動画配信プラットフォームを活用した同社メディアの価値の向上を図るとともに、同社メディアにおける新たな動画広告商品の開発を検討していくとのこと。
今回のリリースは、これまでCmerTVの過半数株式を保有(53.6%)をしていたVOYAGE GROUPからの株式譲渡によるもの。譲渡先は、小学館、マイナビ、加賀電子工業の3社。これにより、CmerTVはVOYAGE GROUPの連結子会社から外れたが、引き続き資本関係(譲渡後は19.7%)は継続される。
【新会社・新組織】
博報堂、ベトナムにおけるフルサービス・デジタルエージェンシー「Hakuhodo Digital Vietnam」の営業を開始
博報堂は、ベトナムにおけるデジタルビジネス拡大を加速するため、「Hakuhodo Digital Vietnam」を1月より営業開始した。
同社は、デジタルマーケティング領域において、デジタル戦略の立案、クリエイティブ開発からメディアプランニング/購入/コンテンツ事業までワンストップで手がけるフルサービス・デジタルエージェンシー。博報堂グループの理念である「生活者発想」をベースに、オンライン上のあらゆるコミュニケーションチャネルと各ターゲットのベストマッチングを創造する戦略的プランニング力が強みである。
フルスピード子会社、マレーシア現地法人を設立
フルスピードの100%子会社フォーイットは、マレーシアに現地法人を設立することを公表した。
2018年4月に台湾法人を設立したフォーイットは、立ち上げ以来、日系企業の海外進出支援を強化。2019年12月には、グローバルアフィリエイトサービス「web ridge」の提供を開始。台湾に限らず東南アジアを中心にサービスを展開してきた。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。