Twitter動画広告ならではの提供価値とは[インタビュー]
成長を続ける動画広告市場。既に売上の過半数が動画広告というTwitterだが、今同社は動画広告をどのような位置づけで、あるいはどう差別化をして広告主に提案をしているのか。Twitter Japan株式会社 執行役員 広告事業本部長 松山 歩 氏にお話を伺った。
(聞き手:ExchangeWire JAPAN 野下 智之)
Twitter広告が提供する“Launch”と“Connect”という価値
-自己紹介をお願いします
Twitter Japanでディレクターとして、消費財、通信、そして今後デジタル化を進めていく広告主を戦略的にサポートすることを担当するチームの三つの組織を統括しています。
Twitter Japan入社以前は、日本マイクロソフトで主に広告代理店を担当する営業部門の責任者をしていました。元々は総合代理店の出身ですが、デジタルの領域におけるメディアや情報流通の大変革の時代の先端に関わっていたいと考え、またデジタル広告の未来に魅力を感じてこの業界で仕事をするようになりました。
-動画広告市場の市況感についてお聞かせください
引き続きデジタル広告市場の成長を牽引しているカテゴリです。今ではTwitterの売上の半分以上の割合を動画広告が占めていますが、動画の構成比は今後も高まっていくでしょう。
-プロダクト周りで何か新しい取り組みがあればお聞かせください
広告主の皆様にTwitterならではの「Launch Something New」と、「Connect with What’s Happening」 という二つの価値をご提供したいと考えています。
「Launch Something New」 はブランドであったりプロダクトであったり、何か新しいものを世の中に出すときにTwitterが一番お役にたてるということを意味します。Twitterは、一気にリーチを高めることが出来るほか、オーディエンスは発信力があって、色々なことを話題にしてくれやすく、どんどんと拡散してくれる。
「新しいものを何か世の中で出すときに、是非Twitterで始めてくださいというのが、「Launch Something New」です。動画広告でいうと、「プロモビデオ」、「ファーストビュー」、「プロモトレンド」が正に当てはまります。ぜひTwitterのユーザーから話題化を始めましょうと、広告主の方にお伝えしています。
二つ目の「Connect with What’s Happening」は、ラグビーのワールドカップやのような大きなイベントや、ハロウィンやクリスマスなどの季節ごとのイベントのような、世の中の大きな出来事に合わせて、広告主の方が伝えたいメッセージをお伝えすることが出来る場をTwitterが提供するということです。
この場合、インストリーム動画などを使うことなどが当てはまります。
「Launch Something New」と「Connect with What’s Happening」とをキャンペーンのフェーズで分けていくと、やはり事前の話題づくりから始まり、ローンチで話題の最大化をお手伝いします。そして、話題の定着化を図り会話を定着化させていくという流れがこの「Launch」と「Connect」でお約束できます。これをより広告主の方にご理解を戴ければと思っています。
動画広告は、この二つを実現するためのツールとなります。
プロダクトローンチに強いTwitter広告、その理由とは
Bain&Companyが調査した結果によると、デジタル×モバイル×ソーシャルという流れの中で、情報の消費速度、伝わる速度と陳腐化する速度はどんどんと速くなっており、競争激化により広告主はローンチキャンペーンにかけられる時間がどんどんと短くなっています。
2018年と2017年とを比較した時、ローンチ型キャンペーンは3割増加しています。より成功するのが難しくなっているのですが、ローンチのキャン―ペンで成功するとマーケットシェアを拡大できる確率が1.8倍になります。また、ローンチに成功すると1.5倍の確率で年間の売上成長に成功するそうです。
一方で、Bain&Companyは世界の650の主要なマーケターにインタビューをしたところ、ローンチ時点で15%しか十分なKPIに達しなかったと答えた。残りの85%はKPIをミスしました。
そのような中で、ローンチに成功した回答者に聞いたところ。Twitterの利用率が、ローンチをミスしたマーケターの2.3倍高かったという結果が出ました。
Twitterがローンチに強いという証であり、まさにこの領域で広告主のお手伝いが出来ればと考えております。
インストリーム動画広告の伸びが拡大
今、動画広告市場では、インストリーム動画広告が伸びています。
Twitterでは今、ラグビーワールドカップのダイジェストコンテンツと絡めた色々な取り組みをしています。まさに今イベントを見ているファンに、お酒の広告を出すというような取り組みを行いました。
また、当社におけるインストリーム動画広告の売上も大きく伸びています。
-昨年から今年にかけて動画広告について新しいリリースはありましたか
トレンドをより活用できるような動画広告をテスト中です。まずは一部の広告主の方にβ版で使っていただいて、フィードバックをしていただきながら、改良を重ねて今後正式なリリースに向けて取り組んでいます。
-Twitter全体における日本市場の重要度は高く、本社も日本を重視しているとお聞きしていますが、例えば日本からの発案でグローバルの施策がローカライズされたような事例についてお聞かせください。
日本から二つ目のファーストビュープロダクトとして、ファーストビューオンリーというプロダクトを提案、これをリリースすることが出来ました。元々のファーストビューは、タイムラインの最上部への動画広告の表示と、プロモトレンドとをセットにした商品でしたが、前者と後者とを分離して、広告主に活用いただける機会を増やしていこうというのが日本からのアイデアでした。
活用機会が柔軟になったことにより、実際に利用いただける広告主の数も増えました。
出典:Twitter Japan
-動画広告に関して今後どのように注力されていきますか?
動画広告全体として“Launch”と“Connect”の二つの価値を実感していただけるようにプロダクトの強化を図ってまいります。
動画広告市場と同様に、当社においても現在一番伸びているのがインストリーム動画広告です。スポーツコンテンツなどの前に動画広告が挿入されるようなものは、今後さらに伸びると思っています。
2020年には東京で大きなスポーツイベントも控えております。更に今後も色々なスポーツイベントがあります。ハイライト映像をTwitterでご覧いただいているユーザーの方に対して、プレロール動画広告を視聴してもらうような広告のご提供を、今後さらに増やしてまいります。
近年日本でも注目が高まっているeスポーツの中継動画のプレロール広告の販売も始まっており、ゲーム会社や通信会社などにご出稿いただいており、今後ますますTwitterから目が話せないとおっしゃっていただけるようにしたいですね。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。