先週のアドテクシーン:Taboola、Outbrainを買収し合併へ
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
【トップニュース】
Taboola、Outbrainを買収し合併へ
リコメンドウィジェット広告プラットフォームグローバル最大手の2社であるTaboolaとOutbrainが合併することが公表された。
TaboolaがOutbrainを買収し、存続会社はTaboola。合併後の新会社は全世界で23カ国における2000人超の従業員、50か国以上における2万社のクライアントを持つ規模の企業となる。
両社の合併により、Facebook、Googleなどの大手広告プラットフォームに対抗していく。
日本でもヤフーが9月末にYahoo!コンテンツディスカバリーが提供を終了するなど、再編の動きが進んでいる。
【アンケートご協力お願い】
ExchangeWire JAPAN を運営するデジタルインファクトでは、広告業界の皆様を対象にした各種アンケート調査を実施しております。
アプリ内広告に関する調査
★アンケートの詳細とご回答は、こちらから。
計13の設問があります。所要時間およそ4分でご回答いただけます。是非皆さまのお声をお聞かせください。
■調査対象となる方:
広告主企業、広告代理店(トレーディングデスク含む)に所属されており、アプリ内広告(Facebook、Twitter広告などを含むアプリ媒体の広告)の出稿に関連する業務に携わっておられる方。
■ご回答いただいた方には:
広告主企業、広告代理店ご担当者さまそれぞれ先着50名様にAmazonギフトコード1000円分をお送りさせていただきます。
【イベント】
[広告主向け]「ファーストパーティーデータの集め方・使い方」を学ぶ-10/17(木)開催-
ExchangeWireJAPANは、広告主企業のマーケティング担当者を対象に、10月17日の午後、マクロミルと共同で広告主企業のマーケッターの方を対象にしたセミナーを開催する。
今回のテーマは、「ファーストパーティーデータの集め方・使い方」。
会員数24万人のオウンドメディアを運営する森永製菓株式会社 マーケティング本部広告部 松野員人氏と、オンライン診断に基づいたオーダーメード・シャンプーを開発した株式会社 Sparty CEO 深山陽介氏がプレゼンテーションとパネルディスカッションに登壇の予定。
【新サービス・新機能】
Gunosy、機械学習を活用した入札機能「UOP」をリリース
Gunosyは、広告プロダクト「Gunosy Ads」において、機械学習を活用した入札機能「UOP」(User Optimized Pricing)をリリースした。
同機能により、機械学習を活用したユーザー毎に最適な入札を行うことで、広告配信の効率最大化を図る。
セプテーニとDLPOが共同でAIを活用したLPOツール「SaiL(セイル)」を開発
セプテーニは、DLPOと共同で、AIを活用したLPOツール「SaiL(セイル)」を開発し、9月30日より提供を開始した。
各オーディエンスデータからAIでスコアリングを行い、見込みスコア別に配信セグメントを自動生成し、各セグメント対して訴求軸やコンテキストなどのABテストを実施し、さらに、ABテストの結果を含めAIで機械学習を行い、各セグメントのLPを継続的に最適化することが可能となる。
出典:同社プレスリリース
サイバーエージェント、人ベースでのユニークリーチをもとにした広告予算アロケーションツールの提供を開始
サイバーエージェントはインターネット広告事業において、メディア重複を考慮したリーチ実績によるアロケーションツール「CyberAgent Unique Reach Viewer(サイバーエージェント ユニーク リーチ ビュワー」の提供を開始した。
広告主が実施するキャンペーンに対してニールセン社の「デジタル広告視聴率(Nielsen Digital Ads Rating)」を活用し、デバイスや媒体ごとではなく、人ベースでの計測が可能になる。
広告主は自社のキャンペーンについて媒体を横断し、人ベースでのユニークリーチの算出ができるため、最適予算配分の意思決定が可能になる。
CCI、SNS分析サービスを改良
CARTA HOLDINGSのCCI は、Twitter分析にかかるコストと業務効率の改善を目的とし、SNS分析サービス『コミュニケーション エクスプローラー』に420日間のTwitter全投稿数を数分で把握する分析機能を実装した。
従来のサービスでは調査対象期間、投稿実数は費用と時間のトレードオフの関係にあったが、同サービスにより、今まで実現が難しかった長期間のTwitter全投稿数を短時間かつ、低価格で提供することが可能になった。
出典:同社プレスリリース
【サービス連携・業務提携】
マイクロアドデジタルサイネージ、mark&earthと連携し マンション、オフィスビルエレベータ内への動画広告配信を開始
マイクロアドデジタルサイネージは、mark&earthと共同でマンションやオフィスビルのエレベータ内に設置するデジタルサイネージを活用した動画広告配信サービスを2019年12月より開始する。
本連携による、エレベータサイネージの広告配信は、同社が提供するデジタルサイネージアドネットワーク「MONOLITHS」より行われる。
今回の取り組みでは国内に設置されているエレベータの約8割のシェアを占める、メーカー系メンテナンス企業各社との連携から展開を開始し、2019年内に東京23区内のエレベータ1,000箇所へのデジタルサイネージの設置を目指している。また、2020年度には全国10,000箇所の設置を予定しており、両社は今後連携してスキマ時間を埋める効果的な広告配信の拡大に努める。
出典:同社プレスリリース
フリークアウトと在京民放5社が提携し、「TVer PMP」を共同開発
フリークアウトは、在京民放5社(日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビ)と提携し、フリークアウトが提供している媒体社向けプロダクト「Red for Publishers」を用いて、民放公式テレビポータルサイト「TVer(ティーバー)」及び各放送局が運営する動画配信サービス等のプレミアムな広告在庫によるインストリーム広告マーケットプレイス「TVer PMP(Private Marketplace)」を共同で開発、国内外のDSPへ向けた提供を開始した。
在京民放5社が主体となって広告マーケットプレイスを運営し、各放送局が保有する広告在庫を互いに拠出するセールスは初めての試みとなり、広告主はこのTVer PMPに接続されたDSPを通じて各放送局の在庫を横断して一括配信することが可能となる。
【資本提携・買収】
ログリー、Juicerの事業譲受を完了し、データマーケティング事業に参入
ログリーは、ユーザー分析DMPサービス「Juicer」を事業譲受し、2019年10月1日よりデータマーケティング事業に参入。同日よりサービス運営を開始した。
Juicerはユーザーを知ることを目的としたユーザー分析DMPで、基本機能を無償提供している。ユーザーの性年代や興味・関心を分析し、どんな人が自社のWebサイトに訪れているかを把握できる。
今後、同社はこれまで培ってきた分析技術を応用し、広告事業で蓄積されたデータと新たにJuicerによって集積された膨大なデータを組み合わせて、新しい価値を創出することを顧客にも広げていく。たとえば、Juicerの持つオーディエンスデータとLOGLY liftを組み合わせることで、新しい広告配信機能を提供することができる。さらに、顧客の持つオフラインデータとJuicerが保有するオーディエンスの行動データを組み合わせることにより、立体感のあるユーザー像を浮かび上がらせ、精緻なマーケティング施策の検討や検証ができるようになる。
【新会社・新組織】
ヤフー、10月1日より持株会社体制へ移行しZホールディングスに、プライバシーポリシーも改定
ヤフー株式会社は、10月1日より、Zホールディングス株式会社を持株会社とし、ヤフー株式会社を承継会社とする、会社分割(吸収分割)により持株会社体制へ移行した。またこの体制変更に伴い、「プライバシーポリシー」の改訂を行った。
改定の内容には、同社グループ企業へのデータ連携について規定を新たに設けることや、各規定の主体の明示、定義の見直し等を行い、ユーザーのデータの取り扱いについてよりわかりやすくするため、追記・修正を行うことなども含まれている。
セプテーニグループのハイスコア、新たな拠点として大阪オフィスを開設
セプテーニの連結子会社で、福岡市に本社を置きデジタルマーケティング支援事業を行うハイスコアは、新たな拠点として大阪オフィスを開設し、営業を開始した。
東京、福岡、宮崎に続く、4拠点目となる。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。