先週のアドテクシーン:電通デジタルと電通、ツインプラネットと共同でインフルエンサー・マーケティング・ツールを提供開始
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
【新会社・新組織】
「Criteo Direct Bidder」がAMPに対応
Criteoは、広告を掲載するパブリッシャー(メディア)向け主要サービスの1つであるヘッダー入札「Criteo Direct Bidder(クリテオ・ダイレクト・ビッダー)」において、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末上でのウェブページを高速で表示させる仕組みであるAMP(Accelerated Mobile Pages)との互換性を強化した。
ヘッダー入札を通じてAMPの広告在庫にアクセスすることが可能になり、効率的にモバイル広告の収益パフォーマンス向上が見込める。
電通デジタルと電通、ツインプラネットと共同でインフルエンサー・マーケティング・ツールを提供開始
電通デジタル電通は、ツインプラネットと共同で、7つのペルソナにクラスタリングした影響力及び発信力のあるナノインフルエンサーへのターゲティング配信が可能なツール「7Fluencer Marketing™(セブンフルエンサー・マーケティング)」を開発、提供を開始した。
フォロワー数は1万人未満ながら、特定の分野にこだわった投稿を行うことで、いいねやコメント等のエンゲージメントが高く、SNSでの発信力が強いインフルエンサーであるナノインフルエンサーを、代表的な7つのペルソナにクラスタリングし、「7Fluencer」と定義付けし、電通グループ独自のPeople Driven DMP®に蓄積された生活者の属性データ、購買関連データ、メディア接触データ等に紐付けて、データに基づいたターゲット層の絞り込みを実現。
著名なインフルエンサーを起用することなく購買類似層へのリーチと、これまでターゲティングに課題のあったナノインフルエンサーへのターゲティング配信も可能にした。
スマホアドネットワーク「nend」、「インストリーム広告」の提供を開始
ファンコミュニケーションズが提供するスマホアドネットワークの「nend」は、アプリメディア向けに「インストリーム広告(動画内広告)」の提供を開始した。
最初の連携先として、日本最大級の動画サービス「niconico」の「ニコニコ動画」にインストリーム広告の提供を開始した。
【サービス連携・業務提携】
Kaizen Platform、Googleの「YouTube Creative Partner」プログラムのパートナー承認を取得
Kaizen Platformは、Googleの「YouTube Creative Partner」プログラムのパートナー承認を取得した。
「YouTube Creative Partner」は、YouTubeにおけるマーケティング活動の支援を行なっている企業の中で、特にクリエイティブによる課題解決に特化した企業が実績に基づいて認定を取得できる、パートナーシッププログラムである。認定を取得した企業は、YouTubeのトレンドや成功事例などの最新情報の共有や、共同で目的に応じた動画広告クリエティブのベストプラクティス提供など、YouTube上でより付加価値の高いマーケティング支援が可能となる。
インフルエンサープロダクション「GROVE」、「TikTok」とTikTok公認マネジメント契約を締結
インフルエンサープロダクションGROVEは、TikTokと、TikTokで活躍するインフルエンサーの育成やTikTok向けのコンテンツ開発を強化するため、TikTok公認マネジメント契約を締結した。
公式なマネジメントパートナーとなることで、TikTokから共有される最新情報やトレンドとGROVEが保有するインフルエンサーマネジメントにおける知見やコンテンツ制作力を掛け合わせ、新たなTikTok内でのスター創出に向けた取り組みの更なる強化を図る。
セプテーニ、AIを活用したアプリデータソリューションツール「Precog for APP」、マーケティングプラットフォーム「Repro」と連携
「セプテーニ」が提供する、AI(機械学習)を活用したアプリデータソリューションツール「Precog for APP(プリコグ フォー アップ)」は、Reproが提供するモバイルアプリ向けの分析・マーケティングプラットフォーム「Repro(リプロ)」との連携を開始した。
これにより、アプリ内のデータだけではなく、「Repro」に蓄積されたより詳細なアプリユーザーの行動・属性データを統合することで、さらに精度の高いアクション予測モデルを構築することができる。また、この予測モデルから作成した質の高いオーディエンスデータを用いることで、より効果の高いリテンション広告の配信やオーディエンス拡張配信等が可能になる。
出典:同社プレスリリース
ADKMS、6秒CM素材をピクチャーインピクチャ―でオンエア。オンエア中のTV画面注視度を計測
ADK MSは、讀賣テレビ放送株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長 大橋善光、以下読売テレビ)と、デジタル広告で使用する6秒CM素材を、テレビ番組本編進行中に画面に表示されるピクチャーインピクチャーの手法でオンエアし、オンエア時の視聴者のテレビ注視度を測定する企画を実施した。
ピクチャーインピクチャー(PIP)とは、画面上に同時に複数の画面を表示させること。
テレビ放送においては、スポーツ中継など、番組の流れを中断せずに広告を表示する方法として注目されており、米国では圧倒的な人気のスポーツ番組などで定着しているが、日本ではまだ前例が少なく有効な活用方法が模索されている段階とのことだ。
【事例】
AIチャットボット「AI Messenger」 、横浜銀行が問い合わせ窓口として導入
サイバーエージェントは、横浜銀行が運営する横浜銀行のホームページにAIチャットボット「AI Messenger」の導入が決定したことを公表した。
横浜銀行のサービスサポートとしてサイバーエージェントが提供するAIチャットボット「AI Messenger」が7月中に導入の予定。まずは、「〈はまぎん〉マイダイレクト」、マイカーローン、教育ローン、横浜銀行カードローンを対象に導入され、随時対象サービス範囲を拡充される予定。
【資本提携・買収】
AMN、パーソナライズド動画生成のクリエ・ジャパンを子会社化
AMNは、パーソナライズド動画の特許技術をもつクリエ・ジャパンの全株式を取得し、子会社化することを決定した。
これにより、顧客/ファンの個別ニーズに合わせた動画を自動で生成・配信することが可能になるなど、動画マーケティングを活用したファン育成を望む企業への支援体制を強化する。
【新会社・新組織】
ADKMS、マイクロアドチャイナと新会社を設立
ADK MSは、マイクロアドチャイナ(微告(上海)広告有限公司)」と、合弁会社設立に向けた基本合意をおこなった。
6月から営業を開始する新会社は、中国上海に拠点を置き、訪日旅行客の多い東アジア・東南アジアエリアから、広告配信ニーズの高まる欧米豪に至るまで、幅広く全世界を対象とした多言語のデジタル広告配信を行っていく。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。