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有店舗事業者のデジタル化と来店プロモーション最前線-第3回:位置情報を活用した来店プロモーション|WireColumn

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有店舗事業者のデジタル化と来店プロモーション最前線について執筆させていただいている株式会社オプトの本郷です。前回は「位置情報技術の進歩」として「GPS」「Wi-Fi」「ビーコン」それぞれの位置情報特定技術について仕組みや特徴を書かせていただきました。今回はその「位置情報」を活用した「来店プロモーション」について話していきたいと思います。

「プロモーション」とは販売を促進するための活動を指しますが「来店プロモーション」は店舗での販売を促進させるためのプロモーション活動と考えてよいでしょう。

図1

出典:Internet Trends 2017 Report

まず、小売業界の現状を確認してみましょう。上記データは国別の小売業におけるEC売上比率ですが、日本の小売業におけるEC売上比率は7%という調査結果が出ています。つまり93%の購買は未だにリアル店舗で行われているということになります。

リアル店舗での商品の購入が多いというFACTがあるのであれば、当然来店促進のためのプロモーションの重要性は高まります。では数多くのユーザーに来店してもらうためにどのようなプロモーションを講じればいいのか。来店プロモーションは以前からチラシやポスティングが主な施策としては存在していますが、近年はスマホの台頭や位置情報技術の進歩により、位置情報を活用した来店プロモーションが拡大を見せています。

位置情報を活用した来店プロモーションとは、前回お話した位置情報技術を使ってユーザーをターゲティングし来店に繋げる施策です。ターゲティングの種類は大きく2種類あると考えています。

図2

出典:オプト

①現在地ターゲティング

今そこにいる人に対して広告を配信する手法です。例えば、スーパーマーケットAが来店プロモーションをする際、自店の半径2km以内にいるユーザーに広告を配信したり、同様に競合B店の半径2km以内にいるユーザーに対して広告を配信するということも可能です。

②過去履歴ターゲティング

過去そこにいた人に対して広告を配信する手法です。大学生をターゲットにしている企業が土日の来店を促したい場合、大学にいた人たちの位置情報を活用して、その人たちに対して土日に広告を配信するということも可能になります。

このようなターゲティング手法は今に始まったわけではありませんが、昨今位置情報を活用した来店プロモーションが注目を集めている理由は広告に触れたユーザーが実際に来店したか可視化が出来るようになったことです。

図3

出典:オプト

今までチラシを配って実際何人のユーザーが店舗に来訪したか明確に測ることができず、費用対効果が不透明でした。一方、位置情報を活用した来店プロモーションはウェブ広告に触れたユーザーが実際に店舗に来店したか識別が可能になり、費用対効果の把握、更には最適化の為のPDCAが回せるようになったことが位置情報を活用した来店プロモーションが浸透してきた大きな要因であると考えられます。

来店計測は、GoogleやFacebook、LINE等のプラットフォーマーがサービス提供している一方、来店計測プロダクトを提供しているプレイヤーも存在しており、来店計測の定義も一定ではありません。当社では今までの経験を活かして媒体横断の来店計測の考え方を持ち合わせていますが、遠くない将来、媒体横断で来店計測が出来るサービスもローンチされるという情報も入っています。今はテクノロジーの進歩を待ちつつ、来店計測を行うだけでなく、来店単価を最適化する運用が求められている時代だと感じています。

次回は来店プロモーションの最新の事例や今後の展望について詳しく説明したいと思います。

ABOUT 本郷 一也

本郷 一也

株式会社オプト オムニチャネルイノベーションセンターO2O戦略部 部長 兼 

株式会社コネクトム 取締役

大学卒業後、株式会社オプトへ入社。 2007年オプトグループのクロスフィニティへ出向後、営業・プロダクトマネージャーを経て2013年2月に執行役員に就任。子会社であるクロスフィニティ台湾の董事(取締役)を経験後、2018年1月株式会社オプトへ帰任。O2Oプロジェクトの立ち上げに従事し、グループ横断組織オムニチャネルイノベーションセンターを組成。同年4月株式会社コネクトムの取締役に就任。有店舗事業者の販促課題をデジタルの力で解決に導くことをビジョンとしている。