2018年ネット広告媒体費は前年比117.9%の見通し、モバイル広告は1兆円規模に-電通グループ3社が共同で調査-
3月28日、電通グループのD2C、サイバー・コミュニケーションズ(以降CCI)、電通の3社が共同で記者会見を実施。2017年インターネット広告媒体費に関する詳細の分析結果を 公表した。
インターネット広告費の内訳については2015年からD2CとCCIの2社が独自に調査を行ってきたが、今回より「日本の広告費」のインターネット広告媒体費の詳細分析として、電通を含む3社共同で調査内容・方法を見直し、今回の発表に至った。これは近年のインターネット広告市場の成長とともに、その内訳に関する問い合わせが増えたことが公表の背景とのことだ。
会見は、電通メディアイノベーションラボ 研究主幹 北原 利行氏(写真右)、CCI 取締役 小椋 祐二氏(写真中央)、D2C 営業本部 総括部 リサーチ担当 エキスパート中澤 雅夫氏(写真左)の3氏により行われた。
公表内容は、去る2月22日に公表した2017年日本の広告費で公表されたインターネット広告費全体(制作費を含む1 兆 5,094 億円)のうち、媒体費1兆2,206 億円についての内訳。2017年媒体費全体のうち、ディスプレイ広告とリスティング広告とがそれぞれ約4割を占めており5,000億円近い規模になっており、ビデオ(動画】広告、成果報酬型広告がそれぞれ約1割弱、1,000億円台の規模に達している。
【インターネット広告媒体費 広告種別 構成比】
出典:電通グループ
また、2018年のインターネット広告媒体費見通しも公表。全体では1兆4,397億円(前年比117.9%と、2017年の前年比(117.6%)をわずかながらも上回る勢いだ。全体の約7割を占めるモバイル広告は、2018年に1兆円規模に達するとのこと。これまで前年割れが続いてきたデスクトップ(PC)向けの需要も2018年は反転して前年を上回るとみている。
【インターネット広告媒体費 デバイス別広告費 推移(予測)】
出典:電通グループ
なお、このほかにも取引形態別やデバイス別×広告種別の推計や、ビデオ(動画)広告の市場規模推移・見通しなどの結果も公表している。
【インターネット広告媒体費 取引手法別 構成比】
出典:電通グループ
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。