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インドのマーケターはプログラマティックが機能するための投資が不十分

(翻訳:Asia Plus 黒川賢吾)

インドの広告主は新たなツールを利用することに消極的であり、プログラマティックを活用するための予算も不足している。これらが原因として、広告プラットフォームの活用が十分にできてない。

インドの広告主はプログラマティックが広告取引のプラットフォーム以上の意味がある点について正しく理解する必要がある、とVertoz社の創業者兼CEOであるAshish Shah氏は述べている。このコラムにてShah氏は、インドのマーケターが、プログラマティックについて正しい理解を深めることの重要性やアドテクプラットフォームをどのように活用すべきなのかについて説明してくれた。

インドにおいて、プログラマティックはまた新しい用語であり、多くの人が正しく理解をしてません。プログラマティックには本来高い需要があり、国際市場に進出する潜在性を提供してくれる一方で、インドのマーケターは伝統的な方法による広告取引を好んで利用します。

まだプログラマティックはスタートしたばかりですが、マーケターにとって多くの可能性があります。一方で、多くのマーケターが市場における新しいツールの利用には及び腰です。どのように作用するのか、プログラマティックがどのようにしてグローバルなブランド認知度につながるのか、などについて正しい教育が必要です。

プログラマティックによるモバイル広告はインドで高い潜在性を秘めています。Counterpoint Research社のレポートによると、アクティブなユニークスマートフォン利用者という点で、インドは世界2位のスマートフォン市場です。アメリカよりも2億2000万ユーザも多く、2020年には6億ユーザに至ると考えられます。このような変化によって、モバイルプログラマティック広告の機会を創出されます。

インドのマーケターは、プログラマティック適応のためにより多くの予算を用意する必要があります。伝統的な広告手法と異なり、プログラマティックにより、透明性、ビューアビリティ、ターゲティング、リターゲティングなどがリアルタイムに提供され、広告キャンペーンにおいて活用できる広告フォーマットやチャネルも広がります。

プログラマティックを採用することで、広告主とパブリッシャーは直接的なやりとりや、広告掲載のためにサードパーティに依存するなどの現状から変化することができます。プログラマティックは、アドテクツールにとって新たな世界を提供し、多くの広告主、パブリッシャーに加えて、DSP、SSP、アドエクスチェンジなどへのアクセスを可能にします。

Vertoz’s founder/CEO、Ashish Shah氏

Vertoz’s founder & CEO
Ashish Shah氏

一方で、企業は、必要なリサーチを実施し賢くパートナー選びを行う必要があります。そうでないと、プログラマティック広告モデルには欠陥が多く、予算を無駄に利用するだけだと誤解してしまう結果となりかねません。

不十分な予算、低い成果

インドでプログラマティック市場が成長を遂げる一方で、より良いユーザエクスピリエンスのために解決すべき問題もあります。

第一に、プログラマティック広告のための予算が低すぎるため、良い結果につながっていない点です。企業はプログラマティックをより信頼して多くの予算を投じ、トラディショナルな形での広告費用を抑制すべきです。

第二に、純粋な消費者からのトラフィックを求めるマーケターにとって、ボットトラフィックが問題となっています。正しいパートナーを選択することが最大の防衛策となります。

また、インドのマーケターはプログラマティックによるリーチが広くないと感じています。データが限られ、時には不適切なデータが含まれると考えています。結果として彼らはプログラマティックを利用することに消極的です。しかしながら、この点はDMPの活用について解決され、インド国内と海外の両方において十分なデータが提供され、企業が世界中の顧客をターゲットとすることが可能となるはずです。

正しいパートナー探しに加えて、企業はプログラマティックを利用したキャンペーンにて、より優れた成果を上げるための正しい戦略を確立する必要があります。

より多くの予算をプログラマティックに投じることで、様々なプログラマティックチャネルから最良の結果を得ることができます。

マーケターはウェブサイトで広告を配信するために、ターゲットオーディエンスが誰なのかをしっかりと把握する必要があります。プログラマティックは、場所、年齢、興味、デモグラフィックなどの要素でオーディエンスへのターゲティングを行うことが可能です。

多くの人がプログラマティックはメディア取引だと考える一方で、取引後にも重要な項目が残されている点を理解する必要があります。リアルタイムに獲得したオーディエンスデータによって、広告主はオーディエンスのニーズによってクリエイティブやキャンペーンを最適化することができます。このプロセスによってブランド認知のROIを高めることができます。

また、企業はディスプレイ、動画、ネイティブ、アプリ内など様々などを活用し、デスクトップ、ラップトップ、タブレット、モバイルなどの様々なデバイスに対してプログラマティックを活用することができます。これによって、より多くのユーザにターゲットし、高いブラント認知を獲得することができます。

プログラマティックがインドで立ち上がることで、より環境がオープンとなり、オンライン広告がローカル広告市場に大きな変化をもたらすことを期待しています。

インドの広告主は、トラディショナルな広告形態に投資をするという考えを止めて、プログラマティック広告を利用する機会を高め、結果を追い求めるべきです。プログラマティックはインド市場において高い潜在性があり、需要は高まる一方だと考えられます。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長  

慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。

国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。

2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。