AOL、米国の大手モバイルアドネットワークMillennial Mediaを買収
AOLが、米国大手モバイルアドネットワークMillennial Mediaの買収を公表した。(英語)
AOLと言えば、今年5月にVerizonの傘下に入り、つい先日Microsoftのディスプレイ広告事業の引き受けについて公表するなど、ここ最近グローバル市場におけるモバイル、ディスプレイ広告業界の再編に関する話題の中心であった。
これにより、AOLの広告プラットフォームには、Millennial Mediaが持つ グローバルで7億に及ぶユニークユーザーや65,000のアプリネットワークが新たに加わることとなる。
Millennial Mediaの設立はスマートフォン普及前の2006年、Googleに買収されたAdMob、Appleに買収されたQuattro Wireless、InMobiなどとともに、老舗の独立系グローバルモバイルアドネットワークの1社として知られてきた。
2012年には米国ニューヨーク証券取引市場に上場、2013年8月には米国の有力モバイルアドネットワークJumptapを買収するなどの積極的な投資により事業拡大を進め、一時はGoogleやFacebookとも互角にシェア争いをしていた。
だが2015年の売上は1-6月期で前年比約-8%と低迷している。
今回のAOLによる買収により、名の知られた老舗グローバル大手モバイルアドネットワークとして残るはInMobiのみとなるが、そのInMobiも半年前にGoogleとの買収交渉が噂されたことがある。
AOLの今後については勿論のこと、グローバル市場における有力アドテク企業の再編に絡む動向は、注目されるところである。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。