セプテーニH、2015年4-6月期スマートフォン広告事業が対前年比1.7倍に増加、売上100億円超に
セプテーニ・ホールディングスの2015年第3四半期ネット広告関連事業売上が、すこぶる好調である。4-6月期に多くの事業者に訪れるマイナスの季節要因をものともせず、全社売上・営業利益四半期ベース過去最高記録更新に大きく貢献した。
同社ネットマーケティング事業セグメントの売上は、159億1000万円、対前年同期比プラス32.1%と高い売上成長を遂げた。今期この売上成長率は、上場主要ネット広告専業代理店の中でも群を抜いている。
セプテーニ・ホールディングス 決算説明会資料(PDF)より抜粋
その要因としてまず挙げられるのは、スマートフォン広告売上の急増である。今期のスマートフォン広告売上は105億1300万円、対前年同期比で約1.7倍に増加した。同社によると「ネイティブ広告の商品ラインアップが拡大し成長を牽引(同社決算説明会資料)」したとのことだ。
この結果ネットマーケティング事業売上に占めるスマートフォン広告売上比率は66.1%に達した。
セプテーニ・ホールディングス 決算説明会資料(PDF)より抜粋
また、Facebook広告や、Twitter広告、LINE広告などの取り扱いが含まれるソーシャル関連の売上も対前年同期比で約2倍に増加した。
もっとも、現在Facebook、Twitter自体がその売上の多くの割合をスマートフォンにシフトさせており、同社のソーシャル広告収入の大幅な増加はほぼそのまま先述のスマートフォン広告売上増に直結しているともいえる。
セプテーニ・ホールディングス 決算説明会資料(PDF)より抜粋
そして最後に、海外売上の増加が挙げられる。今期の同社海外売上は、26億5700万円、対前年同期比約2.4倍と急増した。恐らくこの売上にも多くのスマートフォン広告の売上が含まれていよう。
ちなみに同社の海外営業拠点は、現在米国(サンフランシスコ)、韓国(ソウル)、シンガポール、英国(ロンドン)の4か所である。
同社が以前より掲げている注力分野「モバイル、ソーシャル、グローバル」が着実に形として実を結びつつあることを、今期の業績が物語っている。
セプテーニ・ホールディングス 決算説明会資料(PDF)より抜粋
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。