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先週のアドテクシーン: インテグラル・アド・サイエンス社、日本オフィスを開設

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(ライター:井上 美穂

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

 

Smartphone Ad Platform 「TAP ONE」、SSP「CA ProFit-X」との連携を開始

アキナジスタが提供するスマホ向けDSPの「TAP ONE」は、サイバーエージェントが提供するSSPの「CA ProFit-X」と提携をした。今回の連携によって、TAP ONEのインフィード型広告は配信範囲を拡大させ、さらなる広告主の収益向上を目指す。また、国内でもネイティブ広告プラットフォームの提携が目立つようになってきている。

 

SSP「AdStir」、国内SSPとして初めてスマートフォン動画広告メディエーション機能の提供開始

ユナイテッドの所有するスマートフォン媒体社向けのSSP AdStirが、国内SSPとして初めてスマートフォン動画広告メディエーション機能の提供を開始した。今回の新機能追加により、メディアは複数のアドネットワークから動画広告案件を最適化して配信ができるようになる。それにより、単価や表示率を高い状態を維持しやすくなることが期待される。

 

インテグラル・アド・サイエンス社、日本オフィスを開設

米国発でヤフーとも提携をしているアドベリフィケーションサービスのインテグラル・アド・サイエンスが、日本オフィスを開設した。
同社は昨年のヤフーとの業務提携により、日本の広告主に向けて独自に開発されたソリューションを提供することが可能となった。東京オフィスは、この2年間でアジア太平洋地域において4つ目、グローバルにおいてアメリカを除いて7つ目のオフィス設立となり、各地域向けに独自に開発される我々のソリューションのグローバル展開を拡大する。元コムスコアの山口氏と元マッキャンのTDであった藤中氏が、それぞれ国内市場の知見を活かしマネジメントを担う。

 

GMO TECH、TubeMogul社と販売契約を締結

GMOグループで、インターネット上での集客サービスを展開するGMO TECHは、オンライン動画広告プラットフォームを提供する米国TubeMogulの日本法人と契約を締結し、チューブモーグルが提供する動画広告DSP「TubeMogul」を代理販売する。TubeMogulは、PCのプレロール広告、インバナー動画広告、スマートフォンやタブレットといったモバイル端末のアプリ内広告まで、さまざまな動画広告枠に対応。さらに、すでにオムニバスを中心に国内代理店も扱っており、広く普及している。GMO TECHは、これまで培ってきた広告運用やモバイルマーケティングノウハウを活かしてTubeMogulを効果的に運用し、広告主の認知度拡大を支援する。

 

フリークアウト、中東の拠点としてトルコ子会社を設立

フリークアウトは中東進出の拠点としてトルコに子会社を設立した。まずは、同社の子会社であるM.T.Burnが運営するネイティブ広告プラットフォーム「Hike」の事業展開をトルコ国内で本格的に開始する。これまでフリークアウトは、アジア地域において、日本、シンガポール、タイの3ヶ国に拠点を置き、RTB対応のDSP「FreakOut」を拡販していた。これからは、アジア及び中東地域でさらなる事業展開の拡大を図る狙いだ。

 

民放5社、民放公式テレビポータル「TVer」を2015年10月からサービス開始

民放5社(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)は共同で、2015年10月に放送中のテレビ番組を広告付き無料動画で配信する「TVer」を立ち上げる(pdfアイコンPDF)。提携の背景には、日本における情報通信技術の発展、各種インターネットサービスの多様化、スマートフォン・タブレット端末等新たなデバイスの普及など、放送を取り巻く環境の大きな変化がある。これらの視聴者/ユーザーのメディアへの接触方法の変化に対応するため、テレビ番組をパソコン、スマホからでも無料で閲覧できるTVerを発表した。これにより、日本の動画広告在庫の拡大や普及のきっかけになることが予想される。

 

AOLプラットフォームズ・ジャパン、「ONE by AOL: Display」および「advertising.com」において米MOAT社と提携

AOLプラットフォームズ・ジャパンが、MOATInc.と提携した(pdfアイコンPDF)。これにより、現在AOLが提供するDSP「ONE by AOL: Display」およびアドネットワーク「advertising.com」において、In-View率計測ツールの導入が決まった。広告配信の全インプレッション数において、ユーザーのブラウザ上に広告の50%以上の面積が1秒以上表示されている状態のインプレッションの割合を計測することが可能になる。また、In-View率の高い広告枠へのターゲティングならびにIn-View率の低い広告枠のブロックが可能になり、ターゲットユーザーや特定ジャンルのサイト閲覧ユーザーへ向けたCost Per In-Viewの最適化を実現し、ブランド認知およびCTR、CVRの改善といったパフォーマンスの向上に貢献することが期待されている。

 

D2C、2015年企業のインターネット広告・モバイル広告利用動向調査を公表

D2Cが、日経BP社と共同で実施した広告主アンケート調査結果を公表した。回答広告主企業439社のうち、2014年度のPC広告の出稿率は全体の41.7%、スマートフォン広告の出稿率は全体の26.2%であった。PC広告への出稿率は前年度から微増にとどまった一方で、スマートフォン広告の出稿率は、前年度から+9.9ポイントと大幅に増加した。一方、対象をBtoC企業に絞ってみた場合には、2014年度のPC広告の出稿率は母数(n=167)に対して66.5%、スマートフォン広告の出稿率は53.3%となった。スマートフォン広告の出稿率は、前年度から20ポイントを超える大幅な増加が見られた。

 

メタップスが韓国で現地広告会社と相次いで業務提携を締結し事業を拡大

スマホアプリの集客・分析・収益化支援プラットフォームを提供するメタップスが、韓国で現地広告会社と相次いで提携し、事業拡大を進めている。メタップスの韓国子会社Metaps Koreaは2015年7月13日、250万人が利用するモバイル広告プラットフォーム「AppPang」を提供するNextappsと戦略的業務提携を締結することを発表した。Metaps KoreaとNextappsが、それぞれ広告主のインバウンド需要とアウトバウンド需要に対応するための機能強化を相互に行うことを目的とする提携であることが読み取れる。Nextappsのホームページを見る限りでは、同社は現在韓国外に拠点を設けておらず、メタップスの持つ海外ネットワークは大きな魅力となろう。メタップスが6月から7月にかけて業務提携した韓国広告事業者は3社。

 

日本市場参入1年半のRubicon Project、事業拡大進む

米国のグローバル大手SSPであるRubicon Projectが、2014年2月の日本市場への本格的な参入開始以来、同社が提供する広告自動化プラットフォームを日経ビジネスオンライン、@nifty、ORICON STYLEなど60アカウント以上がプレミアムセラーを導入したことを公表した。この発表に際して同社は、日本の広告費が2015年に35.5億ドルを占め、かつ、その一部は広告の自動化にシフトしていき、今年中には915百万ドルを占めるという予測について言及している。

 

 

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長  

慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。

国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。

2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。