先週のアドテクシーン:バイドゥがコンテンツレコメンドのpopInを買収、スマホアドネットワーク「nend」がiOSアプリメディアへのリターゲティング広告配信を開始
(ライター:岡 徳之)
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
スマホアドネットワーク「nend」、iOSアプリメディアへのリターゲティング広告配信を開始
国内最大級のスマホアドネットワークである「nend」は、IDFAを用いてiOSアプリに対するリターゲティング広告を開始した。先日、ユナイテッドが提供する「Bypass」も同様の機能をリリースし、アプリ広告の活用の幅が国内で広がっている。
バイドゥ、コンテンツレコメンドのpopInを買収
中国の検索大手である百度の日本法人であるバイドゥは、東大発のベンチャー企業でコンテンツレコメンドエンジンサービスを提供するpopInを買収した。ネイティブ広告の伸長にバイドゥが対応するために国内ベンチャーを取り込んだ形となる。popInが提供する「READ」は、記事コンテンツの記事の読了状況を測定するテクノロジー。2014年12月時点で、大手ニュース・情報メディアを中心に200サイト以上で導入されている。
ソネット・メディア・ネットワークスのDSP「Logicad」、IPONWEBが運営する「BidSwitch」と接続
ソネット・メディア・ネットワークスが提供するDSP「Logicad」は、ロシアのIPONWEBが提供するプラットフォームハブの「BidSwitch」と連携をした。BidSwitchは着実に国内ベンダーのつなぎ込みを進めている。
CyberZ、スマートフォンに特化した広告バナー分析ツール「CREATIVE BOX」を提供開始
サイバーエージェント傘下のCyberZは、自社広告バナー分析機能とトレンド分析機能を備えた、スマートフォン特化型の広告バナー分析ツール「CREATIVE BOX」をリリースした。スマホクリエイティブの管理が煩雑化する中、広告主企業の管理工数を削減することを目的としている。
フィードフォース「ソーシャルPLUS」、DMPのインティメート・マージャーと連携開始
フィードフォースは、サイトの外部ID連携を支援する「ソーシャルPLUS」と、インティメート・マージャーが提供するDMPとのシステム連携を開始した。これにより、広告主企業はソーシャルメディアでシェアされた商品やコンテンツを軸にユーザーをセグメントし、興味関心に合わせた広告配信が可能になる。
Vizury、Unbxd社及びConnecto社との業務提携を開始
インドに拠点をおくVizuryは、同社のDMP「Engage」が業務提携先を拡大したことを発表した。今回提携を発表したUnbxd、Connectoは、どちらもインドを拠点におくパーソナライズド広告を提供するベンダー。さらなる顧客エンゲージメント強化のためのソリューションを提供するという。
「MicroAd COMPASS」、国内SSPとして初めて リターゲティングDSP「AdRoll」とRTB広告配信取引を開始
マイクロアドのSSPである「MicroAd COMPASS」は、国内のSSPとして始めて米国発 のリターゲティングDSP「AdRoll」と提携した。リターゲティング広告というとCriteoの存在感が大きいが、AdRollもグローバルにおいて存在感を強めている。
VOYAGE GROUPがログリーを持分法適用関連会社化、プログラマティック領域でのビジネスを強化
VOYAGE GROUPは6月11日、ログリーから3億円の第三者割当増資を引き受け、既に連結子会社のVOYAGE VENTURESが保有する株式と合わせて、同社を持分法適用関連会社化することを決議したことを公表した。VOYAGE GROUPはDSPやネイティブ広告アドエクスチェンジを運営するログリーのグループ化により、アドテク領域での地盤固めを着実に進めている。
マイクロアド、EC事業社向け「ワンパッケージ型の台湾越境EC」サービスの提供開始
マイクロアドは、台湾に特化したEC事業社向けの「ワンパッケージ型の越境ECサービス」の提供を開始した。近年の日本から中国、台湾その他アジア地域への、越境ECニーズの高まりを受けて、日本の中小企業のEC事業社の台湾進出支援をパッケージで提供していく。提供するサービスには、商品の審査・関税代行、ECサイト制作・翻訳、カスタマーセンター(コールセンター)、フルフィルメント、決済処理/問い合わせ対応、インターネットプロモーションが含まれる。
オプト、23名がYouTube認定資格プログラムに合格、企業のマーケティングやクリエイターの支援を更に強化
オプトは、Googleが行うYouTube認定資格プログラムを受講し、2015年6月現在で23名が合格した。この認定資格を取得することで、YouTubeの動画コンテンツに関する企画・制作・YouTubeチャンネルの運営や集客、収益化や著作権に関する専門的なノウハウを獲得し、企業のマーケティングやクリエイターの支援をより強化していく。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。