プレロール広告が全体の87%を占めるビデオコンテンツのマネタイズ -動画広告導入メディアへのアンケート調査
2015年も引き続き成長セクターとして注目される動画広告市場。広告主を対象とした動画広告絡みの調査は国内でも公表されているものがある。だが、メディアへのアンケート調査は珍しい。
米国シリコンバレーに拠点を置くプレミアムビデオ広告プラットフォームYuMeが、動画コンテンツを導入するパブリッシャーを対象としたアンケート調査結果「The State of Digital Video: A Publisher Outlook」を公表した。サンプル数は50。月間UV数が25万以上(5000万以下)の規模のメディアを運営するディレクター職以上を調査対象にしている。
同社は、テレビを含むマルチスクリーンにビデオ広告を配信ができる、デマンドサイトとサプライサイドを垂直統合した事業を展開するグローバルカンパニーである。
詳しくは、調査結果をご覧いただきたい。
ホワイトペーパー(閲覧には要会員登録)やインフォグラフィックも公表されているので、一読することをおすすめする。
以下、調査結果の一部をピックアップした。
・動画コンテンツのマネタイズはプレロールが主流
現状のビデオコンテンツのマネタイズはプレロール広告が最も多く、全体の87%を占めている。これに続くのがスポンサーシップ広告で、全体の80%が導入と回答している。
・モバイルよりもタブレット対応が多い?ビデオコンテンツ対応ディバイスの現状
現在対応しているディバイスについては、モバイルが83%、タブレットが91%と最も多い。テレビ対応は32%とのことだ。
・ビデオのプログラマティック対応はまだ導入初期?
36%のパブリッシャーが、全インベントリーのうちプログラマティックチャネルへの対応が20%以下と回答している。
・現在収集しているユーザーデータはベーシックなものが中心
回答者の63%が、オーディエンスデータのうち1st PARTYデータが最も重要な役割であると認識している。ただし、現状では、視聴数や視聴時間などベーシックなデータの収集が中心。年齢や性別などのオーディエンスデータを集めているのは全体の42%にとどまる。
・動画コンテンツのマネタイズに関する悩みは万国共通!?
動画コンテンツのマネタイズに関する障壁については、「外部リソースが利用しやすい環境でない」(44%)、技術対応が可能な人材が利用しやすい環境でない(36%)、SDKインテグレーションにおける複雑さ(36%)などが主なトピックとして挙げられている。
・半分の広告主が、Viewabilityを重視
最近話題になっている動画広告のViewabilityについては、パブリッシャー側から見て広告主が「ある程度は重視している」(7%)、「明確に重視している」(12%)、「主要な問題としている」(35%)であるとみている。
(編集: 三橋 ゆか里)
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。