マーケティングソリューションへの正しい向き合い方 |WireColumn
皆さん、こんにちは。
KAIZEN platform Inc.の共同創業者 兼 CEOを務めています須藤です。
私は、前職リクルートで沢山のアドテクノロジーの導入をしてきました。
マーケティングツールで最も重要な効果を出していくまでに、運用が重要だと過去再三に渡ってお届けしておりますが、この運用というのは極めて難しいです。
継続的に効果を出していくことが、いかに難しいか?
導入を決める時は一時ですが、実際の利用は長期に渡っていきます。
その中で、きちんと効果を出していくための運用や体制、さらに言えば社内のカルチャーづくりなど様々な要素が必要になってきます。
なぜか?それは簡単です。
マーケティングツールは、マーケティングの課題を解決してくれないからです。
マーケティングツールはマーケティングの課題を解決しないどころか新しい問題を持ち込む!?
こういうことを、マーケティングのためのソリューションを提供している会社の代表が言うのは、どうかと思いますが、事実そうなのです。
マーケターの皆さんご自身が理解いただかないといけない”不都合な真実”です。
マーケティングの課題というのは、大抵いわゆる実行(Execution)のフェーズよりもずっと上流工程に問題があるケースが多いです。
“プロダクトそのものに差別化ポイントがない。”
“プライシングに問題がある。”
実際のExecutionのシーンでは、もはやそれらをどう適切にマーケットにフィットさせていくか?という構造になります。
マーケティングツールというのは、そもそも、マーケターが抱える本質的な問題をほとんど解決することができません。
ただ、より良くExecutionするための補助をしていくというのがメインの役割になるのです。
そのExecutionに関しても、魔法ではなくツールですので、当然設計や運用が必要になってきます。で、それらは当然一筋縄ではいきませんので、新しい問題が持ち込まれることになります。
効果をどれだけ叫んでも、使ってみるまでわからない
多くのマーケティングツールが「効果が改善すること」を謳っています。
多くの代理店が「効果を上げられる」と提案をしてくれます。
ただ皮肉なことに、効果についてどれだけ語っても現実は実際に使ってみるまでわからないのです。
皆さんも、想像と実態が違ったというご経験があるかと思います。
重要なことは、自社内にきちんとした改善ストーリーを描き、それを実行していくための体制を組むことです。
マーケティングツールは、その中の一ファクターにすぎません。
で、その際に重要なことは何か?
実際に使えるかどうか、です。
多くの場合、効果を上げたいということで、非常に複雑な設計や精緻な分析をまわして高い効果を得たいと考えていきます。
ただ、このアプローチには強い実行体制が求められます。
それだけ複雑で、高度な運用レベルを求めるのであれば、そのツールを使いこなす体制も相当盤石に構築していく必要があります。
一方で、ライトな体制でまわしていくには、シンプルな施策を継続的にまわし続けるということが重要になってきます。
シンプルな運用を、しっかり回数を重ねていくことで全体効果を向上させるのか?
高度な運用をして、一回あたりの効果を高めることで全体効果を高めるのか?
自社のとれる選択肢をきちんと考慮した上で、どちらの確度の方が高いのかを選択していくことが重要になります。
継続していくためのポイント
どんなツールも継続して利用していくことで、組織にナレッジが蓄積して、効果を上げやすくなっていくのですが、実際に継続するためのポイントは3つあります。
・ 属人化させない、チームで実施する
・ 外部をうまく活用する、無理しない
・ 文化をつくる
属人化させないというのは、実は最も陥りやすい状況です。あるツールを使いこなせるのがその組織の中で一人しかいない。当人が異動してしまったり、退職してしまうとすべてのノウハウがリセットされてしまう。いかに、チームでノウハウを共有しながら、ブラックボックスにならないような体制を組むかは重要です。ノウハウがツール上にきちんと蓄積されるというのも一つの重要なポイントだと言えます。
2つ目に、外部をうまく使うということです。
すべて自社の中で、実施しようとすると非常に大変です。きちんと外部パートナーをうまく使いながら無理をしないことも重要です。
3つ目に重要なことは、問題を解決し、少しずつ改善していくという文化を構築することです。
当然うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあると思うのですが、それに一喜一憂するのではなく、着実にPDCAサイクルを回していく文化をつくりあげることこそ、最も重要なことです。
効果に一喜一憂していると、ギャンブル的な打ち手だけで終始してしまいますが、きちんと結果を振り返りながら実施していくことで当たり前のことですが、次の成功確率が上がります。
その当たり前のことを実現することがなかなか難しいというのが、今の現状ではないでしょうか?
KAIZEN platformの進化の方向性
手前味噌ですが、KAIZEN platformがどんな方針で、サービスを磨いているかということについて少しご紹介できればと思います。
先ほどの図でいうと、KAIZEN platformは、①のアプローチでプロダクトを良くしていこうというアプローチをとっています。シンプルにわかりやすく運用していけるためのマーケティングソリューションを目指しています。
私自身が、かつてオンラインマーケターだった経験からマーケティングツールを継続的に運用していくことの難しさを痛感していました。どんなに高度な機能も使えなければ、意味がないんです。
アドテクノロジーはどんどん高度化していく中で、肝心のウェブサイトが良くならないとせっかく連れてきた消費者を逃してしまうことになります。
そこで、アドテクノロジーの技術をサイトに導入し、素早く改善していくための仕組みを提供したいと思い、現在のソリューションの提供を開始しました。
現在もユーザー企業の皆様にユーザーインタビュー等を積極的に行わせていただいています。そのフィードバックを元に、迷わずに使っていただけるプロダクトを目指して、まさに自社のサービス改善を積極的に実施しております。
広告クリエイティブとランディングページのシームレスなKAIZENに向けて
オンラインマーケティングにおける継続的な改善のための最も簡単なソリューションを目指していく中で、広告クリエイティブとランディングページのシームレスな改善を簡単に実現できるような新サービスを現在開発中です。
ぜひ、今後の展開にもご期待ください。
運用の時代
近年、新しいマーケティングツールがどんどん登場していますが、大規模な開発やリニューアルよりもずっと省コストでマーケティングパフォーマンスを改善していく方法が出てきています。
本当に繰り返しになってしまうのですが、運用の時代です。
ツールを導入さえすればいいという時代ではありません。いかに使いこなすかが、効果の差を分ける大きな分岐点です。
ぜひ、皆さんの運用体制にフィットするマーケティングツールを選び、継続的持続的な効果改善の体制をつくっていけることを切に願っています。
そして、マーケターの皆さんが、より上流工程の課題へ向き合うための時間を捻出することができれば、マーケティングツールベンダーとしてこの上ない喜びです。
ABOUT 須藤 憲司
KAIZEN platform Inc. Co-founder & CEO
2003年リクルート入社。マーケティング局、事業開発室を経て、2009年アドテクノロジーを活用しビジネス展開するアドオプティマイゼーション推進室へ。
2011年より室長を担当。最新アドテクの導入を4年間リード。
2013年6月末退職し、シリコンバレーでKAIZEN platform Inc.を創業。
驚くほど簡単にA/Bテストができる WEB サービスの Growth Platform 「planBCD」を提供。https://planb.cd/