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先週のアドテクシーン:日本初となるエキスパンド動画広告のRTB配信が実現、ソネットがPubMatic社と共同で「PubMatic」の提供・運用を開始など

(ライター:岡 徳之

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

 

 

GeeeN、「Web CUBE DSP」で動的リターゲティングを提供

GeeeNは、同社の「Web CUBE DSP」において、動的リターゲティング機能の提供を開始したと発表した。この機能で、通常のリターゲティングに加えて、サイトへのアクセスのステータスに応じて、配信するクリエイティブを動的に設定することが可能になった。

 

CPC課金も可能な動画を使用したスマホパフォーマンス広告

サイバーエージェントのアドテクスタジオは、スマートフォンアドプラットフォーム「AMoAdネットワーク」において、ソニックムーブと共同で動画を使用したパフォーマンス広告の提供を開始した。主にCPA/CPIを成果指標とした、企業向けに設計されたパフォーマンス広告だ。リッチ広告の主流であるインプレッション課金だけでなく、CPC課金での実施を可能にすることで、CPM課金を嫌煙する獲得系広告主を巻き込む狙いがある。

 

日本初、エキスパンド動画広告のRTB配信が実現

ログリー、adingo、ゴールドスポットメディアが連携し、エキスパンド動画広告のRTB経由での配信を実現したことを発表。エキスパンド動画広告は、オンマウスをしばらく続けているとlight box形式に広がって動画が再生される広告商品だ。すでにGoogle等の配信でお馴染みのフォーマットになってきているが、RTBによる配信は国内では初となる。

 

「Rtoaster Ads」と「Nebula」が連携サービスを提供

ブレインパッドは、同社が開発・提供するWebプラットフォーム/レコメンドエンジン「Rtoaster」の広告配信機能である「Rtoaster Ads」とIntimate Mergerが開発・提供するDMP「Nebula」を接続した連携サービスを提供する。どちらもDMPやオーディエンスデータを利用した配信・ターゲティングに強みを持つため、お互いのデータを掛け合わせることでより高度な配信を目指す。提供開始は、2014年5月を予定している。

 

「AudienceOne」と「cosmi Relationship Suite」が連携開始

モデューロは、DMP「AudienceOne」とadingoが提供するプライベートDMP「cosmi Relationship Suite」とのシステム連携を開始したと発表した。日本国内でもDMPとDMPの連携が加速しており、データ利用の幅が拡大しつつある。

 

マーベリックの「Sphere」、GDN・忍者AdMaxと接続開始

マーベリックが提供するDSP「Sphere」と、Googleが運営するAdExcange「Google Display Network」が接続を開始した。Sphereは、ネオキャリアグループの保有する大量の人材データベースを活用している点に特徴のあるDSP。リリースには、GoogleのDoubleClickAdExchangeではなく、AdExchangeのGDNとあり、DSPからADNWに出稿できるようにしたのかもしれない。

Sphereはまた、サムライファクトリーが運営する「忍者AdMax」とも接続を開始した

 

マイクロアドフィリピン、ユナイテッド子会社「ADerL」と業務提携

マイクロアドは、フィリピンの現地法人MicroAdSEA Philippines Inc.と、ユナイテッドの100%出資子会社ADerL Inc.と共同で、フィリピン向けの広告商品を開発し、販売を開始した。ADerLが提供するフィリピン国内向け無料懸賞サービス「DreamGiver」の持つ会員数6万人を活かしたFacebookマーケティングと、MicroAd BLADEのターゲティングを組み合わせることが狙いである。

 

ALBERT、MtoM/IoTデバイス製造のシナノ電子技研と業務提携

ALBERTと、シナノ電子技研は、マシン・ツー・マシン通信(MtoM)および、モノのインターネット(Internet of Things : IoT)に対応したビッグデータの活用領域において業務提携契約を締結した。シナノ電子技術は、MtoMやIoTに対応したセンサーデバイスの生産およびワイヤレスセンサーネットワークプラットフォームの構築を行う。あらゆるモノを経由したデータをDMPで解析するための基盤作りだろう。

 

ソネット、PubMatic社と共同で「PubMatic」の提供・運用を開始

ソネット・メディア・ネットワークスとPubMaticは、世界6 ヵ国で提供されているグローバルSSP「PubMatic」を5月14日より日本市場で提供を開始する。両社は今年1月に業務提携を発表していたが、いよいよ独占提供開始の運びとなる。ソネット・メディア・ネットワークスの持つ媒体やDSPのLogicadとの連携にも注目が集まる。

(編集: 三橋 ゆか里)

 

 

ABOUT 大山 忍

大山 忍

ExchangeWire Japan 編集長 米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。 2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。