スマホからのネット利用者が1年で38%増加、女性利用者の拡大 — ニールセンがネット利用動向を調査
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on 2014年4月25日 in(ライター:岡 徳之)
ニールセンは、スマートフォン視聴率情報Nielsen Mobile NetView、および、PC版インターネット視聴率情報Nielsen NetViewのデータをもとに、2013年度(2013年4月から2014年3月まで)の1年間におけるインターネットサービスの利用状況を分析した結果を発表した。
それによると、2013年度の1年間でPCからのインターネット利用者は約350万人(6%)減少し、2014年3月時点で5,376万人となった。一方で、スマートフォンからのインターネット利用者数(アプリの利用とウェブサイトの訪問の両方を含む)は約1,100万人(38%)増加し、3,978万人となった。
各スクリーンからのインターネット利用者数推移(2013年度)
利用者の増加が著しいスマートフォンからのインターネット利用について、カテゴリ別の増加率をみると、メーカーサイトや自動車関連情報サイトが含まれる「自動車」カテゴリの増加率が最も高く98%。次いで、カメラアプリや写真共有サイトが含まれる「写真機材、写真サービス」、および宅配サービスを含む「行事、ギフト」カテゴリが79%となった。その他、アルバイト・就職・転職情報サイトを含む「教育・キャリア」や、銀行やクレジットカードなどを含む「ファイナンス」カテゴリも、スマートフォンからの利用者全体の増加率(38%)を上回っている。
スマートフォンからのカテゴリ別利用者数・増加率(2013年度)
性年代別の利用状況をみると、2013年度で利用者数が最も増加したのは、35~49歳の女性で260万人(64%)増加。次いで、20~34歳女性の240万人(30%)。また50代以上の女性は、利用者数は全年代のなかで最少ではあったものの、増加率は2013年4月から倍増しており、全体的に女性利用者の増加が目立った。
ニールセン エグゼクティブアナリストの中村義哉氏は、「女性利用者の増加は注目に値する。女性はSNSやコミュニケーション関連サービスの利用率が高いことが弊社の他の調査からも判明している。これらのサービスが引き続き利用者を拡大していく可能性は高い。加えて、50代以上の女性は利用者数こそ多くないものの、伸び代は大きく増加率も高い。今後、例えば旅行のような、この層の興味関心の高いサービスの伸びが加速する可能性もありそうだ」とコメント。
最後に、スマートフォンからの利用者数の多い上位10サービスの動向をみると、「LINE」、「Amazon」で58%、「Twitter」で48%と、全体の平均増加率38%に比べても高い増加率を記録。LINEは特に50代以上の男女の増加率が高く、若年層以外にも利用が広がり始めていることが分かった。通常、利用者数が多いサービスは、全体の増加率と同程度の増加傾向となることが多い。この3サービスに関しては、依然スマートフォンからのインターネット利用者数全体の平均増加率を上回るペースで伸びている。
中村義哉氏は、こうコメントしている。「スマホの普及により、まずSNSやコミュニケーションサービスのスマホシフトが起こった。最近では動画やECのカテゴリでもスマホからの利用者が増加傾向にある。それ以外にも、自動車や教育・キャリア、ファイナンスといったカテゴリにおいてスマートフォンからの利用者が増加しており、スマホシフトが始まっている。もはや、全てのサービスカテゴリでスマートフォンを中心としたコミュニケーション戦略を考える時期に来ていると言える(続く)」
ニールセン ニュースリリース
http://www.netratings.co.jp/news_release/2014/04/Newsrelease20140423.html
(編集: 三橋 ゆか里)
ABOUT 大山 忍
ExchangeWire Japan 編集長
米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。
2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。