「USERS 顧客主義の終焉と企業の命運を左右する7つの戦略」ほか <アドテク書評|荒波修さん>
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on 2014年4月22日 inアドテク業界の第一線で活躍される方々に、おすすめの本を紹介していただく「アドテク書評」シリーズ。アドテク業界の若い世代や、これからアドテクに関わるマーケターの方々に、この業界とうまく付き合って行くためのヒントを本シリーズを通してお届けします。
第二回目は、Yahoo! JAPANのインターネット広告をはじめ、ビッグデータの活用を核としたマーケティングソリューション事業を牽引する、ヤフー株式会社執行役員マーケティングソリューションカンパニー長の荒波修さんです。
荒波 修 (あらなみ おさむ)
ヤフー株式会社 執行役員 マーケティングソリューションカンパニー長
1971年神奈川県生まれ。神奈川大学卒業。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。デル株式会社、日本ヒューレット・パッカード株式会社、日本ラドウェア株式会社などを経て、2007年オーバーチュア株式会社入社。2008年、オーバーチュア株式会社の吸収合併によりヤフー株式会社へ転籍。リスティング広告事業の本部長などを経て、2013年4月より現職。
バイブル本
三枝 匡(著)
コメント:現在Yahoo!JAPANの執行役員、そしてマーケティングソリューションカンパニーのトップとして事業改革を進めていく立場にあるのですが、プロジェクトなどが行き詰ったときなどはこの本を読むと元気になるので、何度も読んでいます。
「V字回復」というタイトルのとおり、この小説にでてくる企業は”BEFORE”、”AFTER”の差が大変激しいのですが、 ”BEFORE”、”AFTER”のプロセス、解決策が分かりやすく書かれているのが特徴です。おそらく今、日本の企業のほとんどがこの”BEFORE”の状態であり、以下のような課題を抱えているのではないでしょうか。
・組織が縦割りでなかなか決定できない
・情報がタイムリーに伝わらない
・会議が多く重要決定に時間がかかる
当社も3年前に「爆速」をキーワードに体制が変わったのですが、実際にこの本に書いてあるようなプロセスを経て変化していったので、非常に共感が持てます。
また、通常、書籍で学んだことは、実際に経験しないとなかなか自分の血肉にないものだと思います。しかしこの「V字回復の経営」は、フィクションでありながら事実に基づいて書かれた作品なので、戦略やフレームワークなどを自然と身につけることができる点でもお薦めです。
最近読んだ本
「USERS 顧客主義の終焉と企業の命運を左右する7つの戦略」
アーロン・シャピロ (著), 萩原 雅之 (監修), 梶原 健司 (翻訳), 伊藤 富雄 (翻訳)
コメント:「ユーザー・ファースト」な企業になる7つの戦略を、豊富で詳細な事例で紹介しています。「広告に代わるデジタル時代における真のマーケティングとは?」という見出しが気になり手に取ったのですが、これからのマーケティングは多種多様なテクノロジーを顧客の立場に立ってインテグレートしていくことが求められている、と再認識しました。
スティーブン・レヴィ (著) 仲 達志 + 池村 千秋 (翻訳)
コメント:グーグルが何を考え、何を目指しているのかについて書かれており、ものづくりの思想が理解できます。志が強く、ビジョンがぶれない点に大変共感しました。
佐々木 俊尚(著)
コメント:ウェアラブルがなぜいま注目され、普及すると何が変わるのかについて書かれています。 近い将来、ウェアラブルデバイスの普及に伴い、広告技術も変化していくはずです。今後のプロダクト・ロードマップを考える上でも大変刺激を受けました。
(編集:三橋ゆか里)
ABOUT 大山 忍
ExchangeWire Japan 編集長
米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。
2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。