NEWS: 2012年スマートフォン広告市場規模は前年比343.8%の856億円、2013年国内市場は1,000億円を突破~CyberZ、シード・プランニング調べ
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on 2013年3月21日 inスマートフォン広告代理事業を行う株式会社 CyberZは、市場調査・コンサルティングを行う株式会社 シード・プランニングと共同で、スマートフォン広告市場動向調査の結果を発表した。
この調査によると、スマートフォン広告市場は飛躍的な成長を遂げ、2012年の市場規模は856億円、前年比343.8%(2011年は249億円)と推計される。
(ライター:岡 徳之)
背景には、2012年にスマートフォン端末の普及台数が4,000万台を突破したこと。また、従来、PCやフィーチャーフォン向けサービスを提供していた事業者が、スマートフォンでのサービス展開を本格化し、スマートフォン上でのプロモーション需要が急速に拡大したことがあるという。さらに、これらの動きに伴い、PCインターネット広告やフィーチャーフォン広告を取り扱ってきた広告事業者によるスマートフォン広告市場への参入が相次ぎ、スマートフォン広告商品の提供拡大が進んだことが考えられるという。
スマートフォン広告市場規模予測 2011年-2017年
スマートフォン広告商品別の市場規模推計は、リスティング広告が534億円(構成比62.4%)、ディスプレイ広告が210億円(構成比24.5%)、成果報酬型広告が112億円(構成比13.1%)。リスティング広告については、主にEC、金融、不動産、人材・教育、交通・レジャー向けサービス等の広告主におけるプロモーション需要拡大が影響。ディスプレイ広告については、ゲームや電子書籍などのコンテンツや、不動産、旅行等の情報サービスを提供する事業者などのプロモーション需要拡大が影響。また、同市場においては、複数媒体やアプリに対して一括で広告配信するアドネットワークの需要が全体の8割以上と大きな割合を占める一方で、ソーシャルメディアの新たな広告商品の登場等が市場規模拡大に寄与した。成果報酬型広告については、ゲーム会社や情報サービス提供事業者などのプロモーション需要により増加したという。
スマートフォン広告市場規模予測(広告商品別) 2011年-2017年
本調査では、スマートフォン広告の販売チャネル別金額推計も行われた。その結果、スマートフォン広告市場においても、大手広告事業者によるリスティング広告や一部ディスプレイ広告のオンラインチャネル(※)による提供が行われていることが分かった。オンラインチャネルは広告主が少額で広告出稿を気軽に行うことが出来るため、今後スマートフォン広告市場の広告主層を拡大させる役割を担うと期待される。
スマートフォン広告市場規模予測(チャネル別) 2011年-2017年
※ オンラインチャネル:リスティング広告やディスプレイ広告などを提供する広告配信会社やソーシャルメディアを運営する媒体社などが、口座開設・広告商品の販売・売買決済などの広告取引をオンライン上で行なうことが出来る販売チャネルを示します。一般的には小額出稿の広告主が広告会社を介さず直接的に売買するケースや、中小規模の広告会社による利用が中心です。
※ オフラインチャネル:オンラインチャネル以外の販売チャネルを示します。広告主と広告配信会社・媒体社との間に広告会社が仲介するケースのほか、介在しない直販取引のケースも含まれます。国内では、大手広告主による広告取引はオフラインチャネルのケースが一般的です。
最後に、2013年のスマートフォン広告市場規模予測について。調査結果によると、2013年のスマートフォン広告市場規模は1,166億円(前年比136.2%)。2013年は、引き続きスマートフォンユーザーや情報サービスの増加、ならびにスマートフォン広告商品の拡充が進むことが見込まれる。
共同で調査結果を発表した2社は、スマートフォン広告において中長期的には、各デバイスの特性を生かした広告商品が生まれる一方で、検索連動型広告のように、デバイスを問わない配信形態をとる広告商品がさらに増えていくと予想。O2O領域、あるいはGPSによるユーザーの位置情報を活用した広告商品など、ユーザーに最も身近なデジタル端末ならではの特徴を生かした広告商品が生まれることが期待されるという。
このような、スマートフォンならではの新しい付加価値を持つ広告商品が多数登場し、新しい広告主層を取り込むことを前提に、スマートフォン広告市場は2014年以降も高い成長水準を維持し、2016年には2,000億円規模に達し、また5年後の2017年には2,200億規模に達すると予想する。
■ 調査概要
調査主体:株式会社CyberZ
調査時期:2012年12月から2013年2月
調査方法:スマートフォン広告市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
調査対象:スマートフォン広告市場ならびに関連市場
調査機関:株式会社シード・プランニング
ABOUT 大山 忍
ExchangeWire Japan 編集長
米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。
2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。