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先週のアドテクシーン:Apple、iOS14のIDFA使用制限の開始時期を2021年以降に延期

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

【トップニュース】

 

Apple、iOS14のIDFA使用制限の開始時期を2021年以降に延期

Appleは、WWDC20で発表したiOS14以降で適用される予定のIDFA使用制限の開始時期を、デベロッパーの、仕様変更への対応に必要な時間を配慮することを理由に、当初の9月から、2021年以降に延期することを公表した

この件については、Appleによる発表以降、アプリ広告を取引する広告主、アプリデベロッパー、広告会社を中心に大きな議論となっており、Facebookも対応策についての声明を公表している

 

 

【新サービス・新機能】

 

電通と電通デジタル「Dentsu Digital Transformation診断」を提供開始

電通と電通デジタルは、「Dentsu Digital Transformation診断」のサービス提供を9月から開始した

デジタルトランスフォーメーションを推進する企業に対し、事業全体のDX課題を抽出・数値化。市場内での自社の相対的なポジションを把握して、マーケティングDX課題に沿ったソリューションを診断結果に基づき提案し、推進を加速化・支援する。

 

 

ADKマーケティング・ソリューションズとADKデジタル・コミュニケーションズ、「LINEチラシ」の取り扱いを開始

ADKマーケティング・ソリューションズとデジタル系メディアレップ子会社のADKデジタル・コミュニケーションズは共同で、LINEが提供する、スマートフォンに最適化したデジタルチラシサービス「LINEチラシ」の取り扱いを開始した

パーソナライズ化されたチラシ情報をコミュニケーションアプリ「LINE」を通じて配信することで、小売店舗の幅広いターゲット層への来店促進と購買につなげるコミュニケーション施策を提供し、クライアント企業のO2O施策支援を強化していく。

 

 

RTB HouseがAIを活用した新製品Streaming Video Adsを発表

RTB Houseは、Deep Learning AIの活用と自社所有のデータの加速化をさらに推進し、新製品Streaming Video Adsの提供を開始することを発表した

ターゲットユーザーの意思決定プロセスにおいて、その行動フェーズをより購買に近付かせることを目的として開発された。

動画広告は、その焦点がブランドにしっかり向けられるよう設計されており、データに基づきターゲットユーザーの嗜好に最適化されて配信され、文脈やストーリーテリングにおいても高い関心を引くものとなっているとのことだ。

 

 

Yahoo! JAPAN、コンプレックス商材の広告掲載を禁止

ヤフーは、Yahoo! JAPAN 広告掲載基準において「コンプレックス部分を露骨に表現したもの」の広告出稿を禁止することを9月3日より開始することを公表した

下記の様な広告表現を例として挙げている。

・体毛が濃いため異性にもてなかったが、除毛製品を使用することでもてるようになった

・ふくよかな体型であることによって、周囲の人から一緒に歩くことを避けられた体験からダイエット商品を利用したところ、そのようなことがなくなった

・薄毛であることだけで、他人の目が気になり自信を持てなかったが、育毛製品を利用することによって自信を持てるようになった

 

【新会社・新市場】

 

楽天と東急、データマーケティングの新会社「楽天東急プランニング株式会社」を設立

楽天と東急は、両社が双方で蓄積するオンラインとオフラインのデータを活用しデータマーケティングソリューションを提供する「楽天東急プランニング株式会社」を共同で設立し、9月1日より、営業を開始した

楽天と東急が双方で蓄積するデータを活用し、両社のマーケティングソリューションの強化や東急グループの店舗マーチャンダイジングへの活用、広告主企業に提供する広告パフォーマンスの最大化、両社のアセットを組み合わせたOMOによる新しい購買行動や購買体験の創出を図る。

 

 

伊藤忠商事、ファミリーマート、NTTドコモ、サイバーエージェント、購買データを活用した広告事業会社を設立

サイバーエージェントは、伊藤忠商事、ファミリーマート、NTTドコモとの4社において、小売事業者の購買データを活用したデジタル広告配信事業、広告代理店業の展開に向けて、新たにデータ・ワンを設立することで合意した

ファミリーマートおよび他小売事業者が保有する購買データ、NTTドコモが保有するdポイントクラブの会員データおよび属性情報を用い、オフラインデータとオンラインデータの統合を行うことにより、 “ID”単位でのターゲティング広告配信から商品購買までの効果検証を可能とする広告商品を開発・販売する。

 

 

タグピク社、D2C×インフルエンサー専門会社としてマルシェを設立

タグピクは、D2C×インフルエンサー専門会社としてマルシェを新たに設立した

事業内容は、「D2C×インフルエンサー事業」、「D2Cブランド事業」、「D2Cブランド共同開発事業」、「D2Cインキュベーション投資事業」とのこと。

 

 

ベクトル、事業会社を設立しハイパーカジュアルゲーム分野に参入

ベクトルは、ハイパーカジュアルゲーム分野に参入し、子会社Colorful Tailsを設立した

ハイパーカジュアルゲームの、広告収益観点におけるメディア面としての成長性、ゲーム内プレイスメントやブランドコラボレーションによるゲーム開発といったクライアント企業向けのコミュニケーションツールとしての活用可能性に着目し、この分野に特化したゲームコンテンツ開発を主事業とした子会社を設立するに至った。

 

【調査】

 

ビデオリサーチ、日本雑誌広告協会他、出版社のデジタルメディアビジネスの共通指標整備を目的とした電子雑誌広告に関する共同調査を実施

ビデオリサーチは、一般社団法人 日本雑誌広告協会、NTTドコモ、およびD2Cとともに、出版社が手掛けるデジタルメディアビジネスの共通指標整備を目的とした、雑誌広告業界共同による「電子雑誌読者プロファイリング調査」を2020年9月に実施することを公表した

対象とする「dマガジン」上の電子雑誌(9社22誌)について、それぞれの読者属性、閲読状況に加えて、インターネットおよびインターネット広告に対する意識、生活価値観など、雑誌本誌との比較も含めて検証を行なう。これにより、雑誌由来のデジタルメディアの特異性や優位性を明らかにするとともに、今後の広告効果指標構築に向け基準値の整備を図る。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長  

慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。

国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。

2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。