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ブランド向け動画広告、2018年に知るべき本質的価値 [インタビュー]


成長を続ける動画広告市場だが、2017年には多くの課題が突き付けられた。ブランドがそのリスクを避けて動画広告を今年どのように活用すべきかについて、Teads Japan マネージングディレクター 今村 幸彦 氏にお話を伺った。

(聞き手:ExchangeWire Japan 野下 智之)

本質を問われたインターネット広告のもう一つの視点

2017年のインターネット広告に関する課題は、年始にP&Gの最高ブランド責任者Marc Pritchard氏が苦言から端を発し、アドフラウド、ブランドセーフティー、ビューアビリティーに関する問題など、動画広告のみならずネット広告全体の質が求められるようになった1年でした。

すなわち広告取引における料金体系の質、データの質、配信の質、ユーザー体験の質、掲載箇所の質、隣接するコンテンツの質など、今まで業界でほとんど語られていなかった視点が問われはじめました。

Teadsは、これまでこれらのことをずっと大切にし続け啓蒙活動をし続けてきました。
そして昨年は、国内でもようやくこれらのことに関するお問い合わせが増え「ビューアビリティー、ブランドセーフティーへの対策をどのようにすべきか」というようなご質問を多く戴くようになり広告の質を気にされる広告主様が増えてきたという実感があります。

写真2

弊社としてもう一つ重要であると考えている視点がユーザー体験の質です。
良質な広告体験を、消費者が嫌がらない形でとどけなければ広告効果はないに等しいと考えています。マーケティングファネルに置き換えれば、好意的な認知を得られなければ購入検討や好感度は上がるはずがなく、当然購買にも結びつきません。

広告が嫌われないために

2017年の夏、Appleがリリースしたブラウザ(Safari)において、クッキーの有効期限を大幅に縮小し、ユーザーが広告に追跡されないような仕組みが加わりました。

2018年2月には、Googleが新しいChromeブラウザでユーザー体験を阻害する広告ブロック機能を導入します。これはCoalition for Better Adsという業界団体の取り組みを受けての導入です。この取り組みには、GoogleやFacebookのようなプラットフォーマーはもちろんのこと、GroupMやPublicisのようなエージェンシー、WashingtonPostなどの媒体、P&GやUnileverなど業界全体の企業が参画しています。もちろん、Teadsも名を連ねており、これらの企業が集まって、どのような広告をブロックするかということを協議のうえで取り決めています。

ブロックの対象として、画面上を覆いかぶさるPop-up型の広告や突然音が出る広告、一定の秒数間表示されないとサイトが見られないような広告などをはじめ、デスクトップとモバイル合わせて12タイプの広告が対象としてリストアップされています。

【Coalition for Better Adsが広告ブロックの対象とする広告フォーマット】

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出典:Coalition for Better Ads

ユーザーの行動を著しく阻害する広告は、その広告主に対する好意度、信頼度を下げてしまうとともに、ユーザーにアドブロックの利用を助長し、市場全体における広告機会の減少につながるという2つの危険性を兼ね備えています。

2018年にはいり、日本でもJIAAを中心にユーザーに嫌われる広告をガイドライン化する取り組みが始まっており、私もプロジェクトメンバーとしてお手伝いさせていただいております。ユーザーの視点というものは、これまでの広告活動においてあまり重要視されにくかったのですが、良質な広告体験を模索する動きがどんどん進んでいることに非常に期待を寄せています。

クリックや視聴完了では見えない、動画広告の本質

図2

出典:Teads

しかし、いまだにユーザー体験を阻害する広告が、広告主に対しては「視聴完了率が高い」、「ビューアビリティーに優れている」、といった広告効果の高い広告商品として発注され、レポーティングされている実情があります。先述の、スクロールダウンしてもずっと付いてきてユーザーに無理やり見せつける広告はビューアビリティーの数値が高く出るに決まっていますよね。(笑)

これまで広告の買い手側は、レポートで上がってくるクリックや視聴に関する数値指標のみでしか広告のよし悪しを見てこなかったのですが、今後この状況も変わってくるでしょう。買い付ける広告商品がどのようにユーザーの目の前に届けられるのかというその表示方法、広告フォーマットの挙動まで見極めてゆくプランニングが求められるようになると予想しています。

ネット広告の取引は、プログラマティックによる媒体の買い付けの比重が高まり、掲載面や、ユーザー体験の質はこれまで以上に把握しにくい環境になりつつあります。SSPやアドネットワークが広告の質を担保する責任をしっかり持つとともに、広告主、代理店、DSP等の買い手側はそのような目線で媒体を選定してゆく注意がより必要になってくるでしょう。

第三者評価で見抜く

Teadsは、これまで申し上げた課題を全て解決いたします。そしてその結果は、様々な数値として証明されています。

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出典:Integral Ad Science

ネット広告が画面で視認できる状態のことをインビューと呼びますが、Teadsの広告は全てインビューを前提とした課金ですのでインビュー率は100%です。
米国IAB、MRCなどが定義する動画広告の基準は、広告面積の50%以上が2秒以上表示されることを示しています。Teadsの広告は、この基準に対しても70%以上の実測値です。
この数値は、IASが出している業界平均値と比べてもはるかに高いものです。

次にブランドセーフティーについて。ブランドリスクのあるサイトへの掲載比率について、これもIASによると業界平均では21%とされていますが、Teadsは1%未満です。
Teadsが配信する先は、自社でコンテンツを作っているような一次ニュース媒体です。ネットワーク事業者への配信はしていません。このことから、そもそもブランドセーフティーが担保されています。したがって、意図しない媒体に広告が配信されることは絶対にありません。

さらに、記事の内容を全てキーワード単位まで全てチェックをして配信前に、ネガティブキーワードが含まれる記事に対する配信を除外します。例えば自動車メーカーの広告であれば、交通事故のニュース記事面には配信されません。また、事故は突発的に起こることがあります。例えば航空会社のキャンペーン期間中に、飛行機事故があればそのニュース記事がWebサイトに流れることになりますが、このような時もリアルタイムでネガティブキーワードを登録し、配信すべきでない面に広告が出ないような対策もしています。Teadsではブランドセーフティーを担保するために、このような運用を日常的に行っているのです。
このようなブランドセーフティーの最適化運用の取り組みを日常的に行っているのは、弊社ならではでしょう。

アドフラウドに関しては、DoubleVerifyのツールを導入し全ての配信に対してそのリクエストが人間によるものかの審査を行い悪質なボットによるリクエストを遮断しています。

以上の結果、IASによる日本国内SSP14社比較の中で、Teadsはビューアブルレートが最も高く、アドフラウドレートは最も低く、ブランドリスクも最も低いという結果となっているのです。

安全な掲載面で、ユーザーに嫌われない方法で、より魅力ある広告表現を

写真3

インターネット広告の掲載面をつくることは以前と比べてもより簡単にできるようになってきました。誰でもウェブサイトを立ち上げることが出来ます。このことが他のメディアと異なる点であり、広告の配信先は膨大に増え続けています。そのような中で、広告のインプレッション数、クリック数だけで広告の効果を判断するということは危うい時代になってきました。

Teadsは、安全で信頼性の高い掲載面で、ユーザーの行動を妨げることなく、表現が豊かなインタラクティブ広告を配信することでが、いい広告体験をユーザーに提供することを目指しています。本当に興味を持ったユーザーにより良い広告体験をしてもらうために、記憶に残る広告クリエイティブを作るお手伝いをしてまいります。

ブランド広告とは、質の良し悪しに関係なくただやみくもに認知をとることではなく、ユーザーに好意的に触れてもらって、いい体験を通じて興味を持ってもらい、そのブランド・商品を好きになってもらい、購買意欲を高めることだととらえています。

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長  

慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。

国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。

2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。