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セプテーニグループ、スマホネイティブ広告でマンガ家エコシステムを構築

 

セプテーニグループのマンガコンテンツ事業が着実に進展しているようだ。
グループ連結子会社のコミックスマートが展開するこの事業は、現在広告ビジネスをベースに、漫画家のデジタル領域における新しいエコシステム作りをしている。

ロゴ

同社が運営する無料の広告モデルで運営されているコミックアプリ「GANMA!」は、ユーザーと漫画家とをつなぐプラットフォームであり、そこで提供される質の高いマンガコンテンツを得るための人材(マンガ家)育成から行っている。
同社が2013年より開始したマンガ家育成の累計支援額は3億円を突破。マンガ家に対する支援内容は、金銭にとどまらず、画材の提供、編集担当者やアシスタントによる制作補助など幅広い。

そして同社は今回マンガ家支援プログラムの「Route M(ルートエム)」を刷新したが、マンガ家に対し、「GANMA!」内に配信されている広告の売上の一部をマンガ家に還元する制度を新たに導入した。

このプログラムでは、参画するマンガ家がステージに応じ10万円~50万円の制作支援金や広告収益やコンテンツロイヤリティ(単行本化・映像化等)の分配など多様な報酬が受け取れるというもの。
これによりマンガ家は、制作に集中できる環境と金銭的支援を受けながら、累計300万ダウンロード(月間9億PV)突破の「GANMA!」で連載し、多くの読者に対し自身の作品を配信することが出来るようになる。

(図)3つのメリット

(図)ステージごとの支援体制

ソーシャルゲーム業界でも、プラットフォームそのエコシステム拡充するために、コンテンツホルダーの育成支援に対する投資や仕組み作りは見られたが、コミックの領域で、かつ広告モデルを使ったエコシステム作りはユニークである。

コミックアプリ「GANMA!」では、「GANMA! AD」というスマートフォンの全画面を使って表示されるマンガ風の表現等を用いたネイティブ広告が配信されている。

GANMA!AD のイメージ

image画像

出典: 第25期報告書(PDFアイコンPDF)

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長  

慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。

国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。

2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。