先週のアドテクシーン:Turn、CEOのBill Demasが辞任、Facebook、2015年第1四半期の業績を発表
(ライター:岡 徳之)
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
Facebookが2015年第1四半期の業績を発表
Facebookは、今年(2015年)第一四半期の業績を発表した。売上高は前年同期比40%以上増加し35億4000万。一方、利益は同20%減少し5億1200万ドルだった。広告事業に関するハイライトとしては、取引する広告主数がグローバルで200万社を超えたことや、LiveRailを利用した動画広告がモバイルアプリにも対応した点があげられる。
AOLのDSP、アドネットワークがcciのPrediXオーディエンスデータと連携
AOLプラットフォームズ・ジャパンは、同社が提供するDSP「ONE by AOL: Display」「ONE by AOL: Video」、アドネットワーク「Advertising.com」において、サイバー・コミュニケーションズが提供するPrediXオーディエンスデータと連携を完了したと発表した。これにより、PrediXオーディエンスデータを利用したセグメントに対する広告配信が可能になる。
AOLプラットフォームズ・ジャパンがインビュー課金の「in view Video」提供を開始
AOLプラットフォームズ・ジャパンは、画面表示された広告のみが課金対象となるスマートフォン向けの動画広告メニュー「in view Video」の販売を開始した。具体的には、バナーの50%以上が1秒以上画面表示される「Viewable Impression」のみを課金対象とし、1Viewあたり2.5円というインビュー単価を実現する。見られていない広告も課金されていたという問題を克服するための新たなスタンダードになる期待もあり、注目が集まる。
オプトがユーザーの声をクリエイティブに反映するサービスの提供を開始
オプトは、一般ユーザーに広告クリエイティブを評価してもらうことで、商品の強み・クリエイティブの改善ポイントを客観的に知ることができるサービス「クリエイティブアンケート」の提供を開始した。同社は、2013年から累計400回以上のクリエイティブアンケートを実施し、クリエイティブの傾向把握やデザインの方向性、制作後の評価など客観的な判断材料として活用してきた実績があるが、今回そのノウハウをもとに商品化を実現した。既存クリエイティブと比較し、CVR1.8倍の改善につながった事例もあるという。
TurnのCEO Bill Demas氏が辞任
Adageによると、Turnが同社のCEOであるBill Demas氏が辞任すると発表した。同氏は、2008年から約6年半、TurnのCEOを務めてきた人物。同社をここまで育てあげた中心人物であるが、今年に入ってからの米国でのアドテク不況の影響もあると見られている。先月にはRocketFuelのCEOも辞任しており、大手アドテク企業のトップの辞任が相次いでいる。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。