×

先週のアドテクシーン: IABが米国2014年インターネット広告市場規模を公表、VOYAGE GROUPがSSPの「Kauli」を14.8億円で子会社化

日本国内、アドテクシーン画像

(ライター:岡 徳之

広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。

 

 

 

 

 

SSP「アドフリくん」がネイティブ広告配信においてデザインカスタマイズ性を強化

寺島情報企画が提供するスマートフォン向けのSSP「アドフリくん」が、ネイティブ広告の配信機能を強化し、デザインカスタマイズ性の高い広告実装が可能となった。本機能に対応しているアドネットワークは、マルジュの「アスタ」と、Zucksの「Zucks」の2社。今後も随時連携先アドネットワークを拡大していく予定とのこと。

 

DSP「ScaleOut DSP」 が動画専門SSP「ULIZA AD Exchange」とRTB接続を開始

スケールアウトが提供するDSP「ScaleOut DSP」が、スキルアップ・ビデオテクノロジーズが提供する動画専門のSSP「ULIZA AD Exchange」とRTB接続を開始した。本連携により、ScaleOut DSP経由で、ULIZA AD Exchangeが保有する動画広告媒体の買付が可能となる。国内でも動画でのRTBが盛んになり始めている。

 

データフィード最適化サービス「DF PLUS」が「nex8」のダイナミックリタゲ広告配信に対応

フィードフォースが提供するデータフィード最適化サービス「DF PLUS」が、新たな配信先としてファンコミュニケーションズが提供するモバイルアドネットワークの「nex8」でのダイナミックリターゲティング配信に対応した。これにより、DF PLUSのフィードとnex8のダイナミックリターゲティング広告の関連付けが容易に可能になった。

 

「GMOプライベートDMP」が3つの新機能を追加

GMOアドパートナーズと、その連結会社であるGMO NIKKOが提供するDMP「GMOプライベートDMP」が3つの新機能を追加した。1つは、Cookie連携によるDSPの広告配信強化。2つめは、メール配信サービスとの連携。3つめは、ダイナミックLPOサービスであるDLPOとの連携である。

 

ロックオンがアドエビスのブランドコンセプトを「広告効果測定システム」から「マーケティングプラットフォーム」に刷新

ロックオンが、同社が提供する広告効果測定システム「AD EBiS」を始めとするツール群を「マーケティングプラットフォーム」としてリブランディングした。その初期段階として、測定機能においてはエム・データが提供するTVメタデータとの連携や、アタラが提供する運用型広告レポート作成支援システム「glu」との連携を実施。今後は、オープン型DMPや各種BIツール、ダッシュボード等との連携を充実させていく計画。

 

スケールアウトとデジタルインファクトがスマートフォンDSP利用動向調査を実施

mediba子会社のスケールアウトとシード・プランニングが運営するデジタルインファクトとが共同で行った調査によると、調査対象であるネット系の広告主1000社の国内主要スマホ向けDSPの導入率は20.1%、うち過半数が複数DSPの導入実績ありという結果であった。スマホDSPの普及が徐々に浸透していることが明らかになった。業種別でみると、人材カテゴリにおいて70.6%と高い割合となった。専門小売店(27.8%)、教育(25.9%)、メディア(24.6%)がこれに続き、約1/4の割合で導入実績があった。一方で、流通・小売業、官公庁・団体、運輸・倉庫カテゴリでは、導入率が1割を下回った。

 

スケールアウトのSSP「Ad Generation」 でインフィード広告を開始

スケールアウトの動きが活発である。SSP側にインフィード広告機能を追加し、ネイティブ広告フォーマットへの対応を始める。まずはログリーと連携し、ログリーが配信する広告を表示する。

 

VOYAGE GROUPがSSPの「Kauli」を14.8億円で子会社化

国内における最近のトピックとしては、大きな業界再編のニュースとなる。SSP黎明期からテック重視の独立系として運営していたKauliが、同じくSSPの「Fluct」を有するVOYAGE GROUPに買収された。国内・外のSSP事業社への影響が注目される。

 

IABが米国2014年インターネット広告市場規模を公表

IABが2014年の米国インターネット広告市場規模を公開した(リンク先は英語)。2014年の市場規模は494億5000万ドルで、対前年成長率は15.6%増。そのうち、モバイル広告市場は145億ドル。広告フォーマット別の詳細な市場規模データが公開されている。

 

 

 

ABOUT 野下 智之

野下 智之

ExchangeWire Japan 編集長  

慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。

国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。

2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。