先週のアドテクシーン： クックパッドにスマホ向けリッチメディア広告、旅行関連予約サイト向けにCriteoエンジンが機能強化
（ライター：岡 徳之）
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
Pixalateがセラーの在庫品質評価レポートを発表
プログラマティック広告の分析や品質評価を行っているPixalateが、2015年1月の品質ランキング「Seller Trust Index」を発表した。それによると、今回もGoogle、OpenX、Rubiconの3社がベスト3を維持する形となった。
Platform IDがTカードと連携したサービスで動画広告に参入
Platform IDが、インストリーム動画広告を配信する広告配信プラットフォーム「Xrost Video DSPβ版」をリリースし、動画広告の領域に参入した。Xrost Video DSPβ版は、1,000 万超のリアルオーディエンスに対し配信が可能であり、YouTube、ニコニコ動画をはじめとする様々なパブリッシャーとRTB接続することで、月間5.5億インプレッション超の配信規模を実現する。リアルオーディエンスと謳っているのは、Xrostがカルチュア・コンビニエンス・クラブのＴカードとリアルデータと連携しているため。Tカードの会員情報を元にターゲティングができる動画プラットフォームとなる。
ジーニーが受験・教育特化型アドテクノロジー商品を開発
ジーニーが、日本最大級の受験教育サイト「インターエデュ・ドットコム」を運営するインターエデュ・ドットコムと共同で、教育業界で初となる「Geniee Private DMP」を用いた受験ユーザー向けのオーディエンスターゲティング商品「受験・教育特化型ターゲティングクリック」の販売を開始した。Geniee Private DMPを用いて、企業内に蓄積されるプライベートデータとインターネット上に蓄積されるパブリックデータの２つを統合し、幼稚園受験から大学受験まで「子どもの進学状況」の条件に応じた広告配信を実現するもの。受験シーズンと合わせて時期のリリースといえる。
Marin Softwareがディスプレイ広告でのクロスデバイスターゲティングをリリース
Marin Softwareが提供していたクロスデバイスターゲティング広告商品において、サーチ・ソーシャルに加えてディスプレイも可能になった。具体的には、MoPub、Nexageというモバイルディスプレイエクスチェンジ大手2社と接続することで、WEB／APP双方のディスプレイ在庫に対応する。
AMoAdがDeNAと共同で広告配信プラットフォームの提供を開始
サイバーエージェントのアドテクスタジオが、連結子会社であるAMoAdと、ディー・エヌ・エーにて共同開発した、広告配信プラットフォーム「DeNA Ad Platform」の提供を2015年2月中旬より開始する。DeNA Ad Platformの第一弾として、DeNAグループが運営する週刊マンガ雑誌アプリ「マンガボックス」と、住まいやインテリアに特化したキュレーションプラットフォーム「iemo（イエモ）」において、ネイティブ広告の配信を2015年2月中旬より開始する。
Criteoが旅行関連予約サイト向けにCriteoエンジンの機能を強化
Criteoが、オンライン旅行関連予約サイト（航空券、ホテル、ツアー、レンタカーなどの旅行予約サイト）向けに、Criteoエンジンの機能を刷新した。これにより、旅行関連予約サイトは、航空券やホテルを消費者が予約する際に費やすであろう消費額（予約・購入額）に基づき、ターゲットを絞り、広告キャンペーンを展開できるようになる。新機能では、ナビゲーションパターン・滞在期間・目的地・事前予約期間といった多くの変数をCriteoエンジンが評価し、これにより消費者の予約・購入可能性や期待される消費額を自動的に評定するという。
米ハイネケンがTubeMogulとビデオ広告について独占パートナー契約を締結
動画広告プラットフォームのTubeMogulが、ビール大手である米ハイネケンとビデオ広告分野において、独占パートナー契約を締結したことを発表した。ブランド広告主の動画広告への注力は顕著になってきており、独占契約をすることで幅広い動画展開を狙う。
クックパッドがスマホ向けリッチメディア広告を開始
クックパッドが、スマートフォンブラウザのクックパッドにおいて、リッチラボが提供するスマートフォン向けリッチメディア広告「プライムウィンドウ」を広告商品のラインナップに追加した。この広告は、スマートフォンブラウザのクックパッドのページ背景に1枚の広告画像を掲載し、コンテンツの間から背面の広告クリエイティブを覗かせることでユーザーの関心を喚起するという、スクロールの特性を活かしたスマートフォン向けのブランド広告である。
Vizuryがモバイルゲームアプリ・リターゲティングを日本で開始
インドのリターゲティング広告事業者のVizury Interactive Solutionsが、モバイルゲームアプリ・リターゲティングサービスの提供を日本で開始する。具体的な機能は、既存のゲームユーザーに対して新しいゲームアプリを宣伝する新規ユーザー獲得、継続的にゲームをプレーしてもらうために、低頻度ユーザーや非アクティブユーザーに対して広告を表示する顧客エンゲージメント、ゲームのアクティブユーザーにアプリ内課金を促進する収益化の3つ。
リンクシェア・ジャパンが成果報酬型ネイティブ広告サービスを開始
楽天グループのリンクシェア・ジャパンが、ネイティブ広告ネットワーク事業を展開するサムライトの協力のもと、｢成果報酬型ネイティブ広告サービス｣を開始した。本サービスは、リンクシェア・ジャパンが提供するアフィリエイトプログラムの「リンクシェア アフィリエイト」と「TGアフィリエイト」を利用する広告主を対象に、ネイティブ広告ネットワークへの広告の配信および、広告クリック後の遷移先に掲載する商品・サービス内容に関する記事形式のコンテンツの作成を行うもの。
MediaMathがラテンアメリカに拠点を持つデータ事業者Navegg と提携を発表
DSP事業者のMediaMathが、ブラジルに拠点を持ちラテンアメリカ地域におけるデータマネジメントのリーディングカンパニーであるNaveggと提携を発表した。これによりMediaMathのT1のユーザーは、Naveggの有する約180万人のユーザーを第三者データとして利用できる。
（編集：三橋 ゆか里）
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。
