ログ分析にこだわり、CTV広告をWeb・アプリ横断で成果計測[インタビュー]
CARTA HOLDINGSグループとしてブランド向けアドプラットフォーム事業を手掛けるPORTOは、コネクテッドTVに特化した広告ソリューション 「PORTO Analytics for CTV」 の提供を昨年10月に開始した。
同ソリューションにおいては、コネクテッドTV広告のオンライン上での成果計測を、Webとアプリ双方のチャネルにおいて可能とすることが出来る。
同社代表取締役、吉田大樹氏に、サービスの特徴についてお話を伺った。
(聞き手:ExchangeWire Japan 野下 智之)
ブランディング目的のDSP 「PORTO」
-自己紹介をお願いします。
株式会社PORTOの代表取締役を務めております。
元々はサイバー・コミュニケーションズ(CCI:現CARTA COMMUNICATIONS)に入社し、自社で運営していたアドネットワークや自社プロダクト畑の仕事をしておりました。2019年にCCIとVOYAGE GROUPが経営統合しCARTA HOLDINGSができたタイミングで、CARTA HOLDINGSとしてブランド広告主向けの自社プロダクトをリソースやセールスを含め、一つに集約することになり、CCIで展開していたBEYOND X PMPをPORTOにリブランドしました。
PORTOは、ブランド広告主様をターゲットとしたアドプラットフォーム事業で、2021年によりスピーディーに事業成長させるために会社化し、現在3期目となります。
-PORTOのお客様の商流についてお聞かせください。
強力な販売先として電通がおり、同じグループのCCIとはしっかりと連携しています。会社化してからはPORTOでもクライアントとの直接取引を少しずつ行いはじめ、実績が増えてきております。
PORTOは基本的にブランディング目的のDSPです。配信先として注力しているのは、PC・スマホの既存のバナー領域だけでなくTVerやGYAO!をはじめとしたOTT広告からデジタル音声広告媒体のSpotify、またLIVE BOARDと連携したDOOH領域など、従来オフラインと呼ばれていたメディアをDX化して統合的に配信することができることを強みとしています。TVerをはじめとしたOTT広告の領域は売上の主流となっております。
Webとアプリを横断し、ログベースで計測
-今回CTVに関してのDXツールを出されていますが、プロダクトや提供開始の背景をお聞かせください。
ユーザーがCTVに移行し、無視できない規模になる中、CTVでマーケティング活動を行うことが価値となります。広告主や広告会社と話をする中、PC・スマホの延長でCTVを実施するだけでなく「CTVに注力する」とされる方が増える中、「どう使ったらいいのだろう」「CTVだから何なのだろう」「PC・スマホと何が違うのか」「どうマーケティング活動に組み込めばいいのだろう」と悩まれている方も非常に多い状況です。
PC・Webはcookie、スマホアプリはモバイル広告IDがある中、CTV配信はテレビデバイスIDとデータ識別子が異なるのでCTVを配信してDSPとしてテレビデバイスIDを取得します。
計測の部分でWebサイト来訪ならcookie、調査会社とブランドリフトをやるとなると調査会社がもつモニターと紐づく多くの識別子がcookieかモバイル広告ID、位置情報ソリューション会社と来店計測をやると、その会社が持つモバイル広告IDといった「配信先の識別子と分析環境が異なりどう扱っていいかわからない」「どう評価していいかわからない」中、「物理的な環境・識別子が異なることで分析がしづらいのが悩みの元」だったのかな、と考えた背景があります。
PORTOはDSPとしてTVerやGYAO!!をはじめ様々なCTVに配信でき、かつ分析もクライアントの希望するKPIに応じて実施できる、いう点が勝ち筋としてあり、皆さまの悩み解決になると思っています。
TVerやGYAO!!などCTVに広告配信し、CTVでの広告接触者のその後のWebサイト来訪やブランドリフト調査、広告を見た後に特定のキーワードをどれくらい検索したかというサーチリフト、CTVを見た後に特定の場所へ訪問したかという来店計測、購買計測、アプリのインストールも計測などをすべてログベースで行えます。オンライン・オフラインを問わず、様々な広告主様のKPIに対して、「ユーザー行動をログベースで横断的に計測することができる」というイメージです。
会員IDを持つ媒体社であれば、PC・スマホ・CTV、cookie・テレビデバイスIDなど関係なく、ログインしたIDで管理できるので調査ができる一方で、分析対象はその1メディアに限定されてしまいます。
PORTOはDSPとして様々なメディアに配信しつつ色々な計測ができますが、私が知る限り、メディア数・分析項目が一番多いのはPORTOであるという自負があります。
-ユーザーからの反響をお聞かせください。
「CTVで横断的な分析ができるのか」という驚きの声が大きいです。 リリースした中で、今一番引き合いが多く、受注も発生しています。
これから配信・現在配信中という状況なので分析はこれからですが、今までで一番反響をいただいています。
CTVに配信して取得できるテレビデバイスIDや調査会社とブランドリフトを実施する際モニターに紐づくcookie・モバイルIDではログベースでの分析ができませんが、PORTOではそれが可能です。 また、調査会社のモニターにテレビデバイスIDが紐付いている場合もございますが、ボリュームや実施コストの点で懸念が残ります。
PORTOは「CTV接触者のブランドリフトがログベースで業界最安値にて行えます」と打ち出しており、その辺りが一番わかりやすく引き合いがくる要因かな、と感じております。
基本的には広告配信とセットで提供しており、リサーチのみは行っていませんが、どんどん発信していきたい強力なプロダクトです。
-ユーザーがCTVに広告配信する場合、どういったアクションをゴールにされることが多いのでしょうか。
Web上のサイト来訪や資料請求も当然計測できますが、そこをKPIにするお客様は少なく、ブランドリフトやサーチリフト、来店計測をKPIにする引き合いが多い状況です。
すでにCTVに広告を配信している方やPC・スマホの延長でCTVを一緒に実施するお客様が多くなっています。
その場合「現状はCTV配信をしたユーザーの中できちんと分析できていないですよね」「これだけユーザーが伸びているのでCTVに特化したマーケティングをやるべきではないですか」というのがPORTOからお話しするポイントになります。
“統合的プラットフォーム”を軸に発展
-今後プロダクトをどのように強化していきたいか、方針をお聞かせください。
少し前まではグローバル大手のDSPを含め動画・音声・サイネージにそれぞれに配信し、各メディア・施策ごとに広告主・広告代理店が個別に最適化していましたが、そのようななか、PORTOの「統合的に実施して全体を最適化するプラットフォーム」が登場しました。
PORTOは「統合的なプラットフォーム」という方針は変えず、今後も軸にして専念していきたいと思っています。その上でCTVは特にここ最近の盛り上がりとユーザー数の増加、マーケティング施策としての勝ち筋がマッチしていないと感じており、特に注力していきたい領域です。
それができるプレイヤーが競合でも増えてきていますが、PORTOが発信している内容や情報量、事例が最も多いと自負しております。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。