先週のアドテクシーン: Ooyalaが新アナリティクスプラットフォーム「Ooyala IQ」を発表、フリークアウトDSP/DMPがアドビの「Adobe Audience Manager」と国内初連携
(ライター:岡 徳之)
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
Criteoが2015年第1四半期のモバイルコマースレポートを発表
Criteoが、2015年第1四半期のモバイルコマースレポート「State of Mobile Commerce」を発表した。このレポートによると、日本ではすべてのEC取引に占めるモバイルの割合が51%に到達し、2015年末までに世界主要国中でトップの61%に達する見込み。モバイルデバイスでのコンバージョンレートは日本が主要国でトップで、米国をベンチマークとした数値ではその3.5倍をマークした。
インティメート・マージャーが米DSPのthe Trade Deskと連携
フリークアウト傘下のインティメート・マージャーが、米国大手DSPのThe Trade Desk, Inc.と連携し、オーディエンスデータの提供を開始した。この連携により、広告主や代理店などの担当者はthe Trade DeskのDSP上で、インティメート・マージャーが提供するオーディエンスデータを活用した広告の配信が可能になる。The Trade DeskはTDからの支持も厚く、欧米系クライアントが多い東南アジア地域でも広く展開している。
NRIネットコムが「DoubleClick Digital Marketing」を活用したサービスを提供開始
NRI傘下でウェブマーケティング支援を行っているNRIネットコムが、Googleの広告配信プラットフォーム「DoubleClick Digital Marketing」を活用した統合的なデジタルマーケティング支援サービスの提供を開始した。提供するサービスには、DSPの「DoubleClick Bid Manager」や、アナリティクスツール、サーチツールなど、4つのソリューションが含まれる。
Vizuryも2015年第1四半期のモバイルコマースレポートを発表
インドのリターゲターであるVizury Interactive Solutionsが、Vizury Japanによるキャンペーンデータに基づくモバイルレポート「日本のモバイルコマース市場の現状と予測2015(1-3月)」を発表した。競合であるCriteoがレポートを発表したのと同タイミングとなる。このレポートによると、日本ではすべてのEC取引に占めるモバイルの割合が55%に到達しており、Criteoの結果よりもやや高めの結果となっているなどの違いがある。両社の結果を見比べることで、国内のモバイルEC市場の動向が広く補える。
adingoが「DoubleClick Ad Exchange」を提供開始
adingoが、Googleが提供するアドエクスチェンジ「DoubleClick Ad Exchange」の取り扱いを開始し、プレミアムな媒体社に対し、提供を開始した。通常のエクスチェンジ枠ではなく、プライベート取引に特化して、コンサルティング業務も行うという。adingoは自社でSSP「Fluct」も提供しており、そことの棲み分けとシナジーが気になる点である。
マイクロアド・インバウンド・マーケティングが韓国SNS「カカオストーリー」と連携
マイクロアドの関連会社である株式会社マイクロアド・インバウンド・マーケティングが、韓国最大級のインターネット企業「ダウムカカオ」が提供するSNS「カカオストーリー」を通じて、日韓を繋ぐインバウンドソリューションサービスの提供を開始した。これにより、韓国国内SNS市場No.1のシェアを誇るカカオストーリーのユーザー約6,700万人に対して広告配信が可能になる。
サイバーエージェントが検索連動型広告向けユーザー属性別自動入札ツールを開発
サイバーエージェントのアドテクスタジオが、Googleが提供する「AdWords API」を利用した検索連動型広告向け入札ツール「MIYABI’d(ミヤビ)」を開発した。年齢や性別などユーザー属性別の配信実績の効果差に応じて入札差配を自動的に調整する自動入札ツールで、「Google Display Network」とも連動可能である。同社にとって、検索広告関連では3つめのソリューションとなる。
フリークアウトDSP/DMPがアドビの「Adobe Audience Manager」と国内初連携
フリークアウトが開発、提供するDSP「FreakOut」とプライベートDMP「MOTHER」が、アドビ システムズが提供するオーディエンス管理ソリューション「Adobe Audience Manager」と連携した。Adobe Audience Managerとの製品レベルでの連携は、国内で開発されたDSP/DMPとしては初めて。今回の連携により、「Adobe Analytics」及び「Adobe Audience Manager」を利用する企業は、Adobe Audience Manager上で抽出したセグメントをDSP「FreakOut」に共有し、FreakOutが保有するターゲティング技術を組み合わせた、高度なディスプレイ広告・動画広告の配信が可能となる。
ロックオンがアドエビスの新たな営業拠点として福岡に九州支社を開設
ロックオンが、国内3拠点目となるアドエビスの営業拠点として福岡に九州支社を開設し、2015年5月7日より営業を開始する。同社はこれまで、大阪本社、東京支社の2拠点で営業活動を行ってきたが、主要サービスであるアドエビスの事業拡大に伴う新たな販路拡大と、地域に密着したサポートを目的として、九州支社を開設する運びとなった。九州地方は、アドエビス内の統計データから、1ユーザーあたりの平均広告出稿数が国内で最も多い地域であり、ダイレクトマーケティングの活性化によりさらなる発展が見込まれる地域だという。
Ooyalaが新アナリティクスプラットフォーム「Ooyala IQ」を発表
オンライン動画配信プラットフォームを提供する「Ooyala(ウーヤラ)」が、新たにアナリティクスプラットフォーム「Ooyala IQ」を発表した。Ooyala IQは、Ooyalaが強みとする分析機能をさらに強化し、従来よりも詳細かつ深い分析により動画コンテンツサービスや広告の収益性の向上を可能とする。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。