先週のアドテクシーン: cciがインストリームアドネットワーク提供開始、パナソニックのスマートテレビが動画広告を配信
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on 2014年9月01日 in(ライター:岡 徳之)
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
cciがインストリームアドネットワーク「ADJUSTVideo」を提供開始
サイバー・コミュニケーションズ(cci)は、プレミアムインストリームアドネットワーク「ADJUSTVideo」の提供を10月より開始する。オンラインビデオ広告のニーズに対してインバナー広告を提供してきた「ADJUST」だが、今後はビデオコンテンツの前後や中間にビデオ素材を掲載するインストリーム広告も提供する。インストリーム広告は掲載箇所がコンテンツと同一なため注視率が高く、また大画面、音声により認知の向上が期待できるという。まだまだ在庫が少ない国内の動画広告枠であるが、アドネットワーク等が整備されることで拡大に繋がる可能性もある。
「デクワス.DSP」がRubicon ProjectでのPC向け広告を配信
京セラコミュニケーションシステムは、広告配信プラットフォーム「デクワス.DSP」において、米国の大手SSPであるThe Rubicon Project, Inc.が提供するプラットフォームへのPC向け広告配信を開始したと発表した。Rubicon社は、プライベートエクスチェンジに強みをもつ一方、国内在庫の拡充もされており、今後国内DSPの接続も増えると考えられる。
サイネージADNW「MONOLITHS」の配信が10,000ディスプレイを突破
マイクロアドの関連会社であるマイクロアドデジタルサイネージ。デジタルサイネージアドネットワーク「MONOLITHS」の配信対象が10,000ディスプレイを突破した。これにより、推定延べ4,500万人へのリーチが可能となり、インターネットのディスプレイ広告に匹敵するリーチ規模を持つアドネットワークに成長したことになる。
パナソニックのスマートテレビで動画広告の配信が開始
博報堂DYメディアパートナーズとデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムは、パナソニックのテレビ「ビエラ」上で動画広告の配信・掲載を開始した。インターネット接続した際、ホームスクリーン上の中央部に表示されることになる。なお、パナソニックのブルーレイ/DVDレコーダー「ディーガ」、ブルーレイ/DVDプレーヤーなどにおいては、7月23日よりすでに動画広告の配信・掲載を開始していた。動画広告の新たな領域ということで注目される。
「Yahoo!タグマネージャー」が「Bypass」のダイナミックリタゲタグに対応
ユナイテッドは、ヤフーが提供するタグマネジメントサービス「Yahoo!タグマネージャー」が、ユナイテッドが提供するDSP「Bypass」のダイナミックリターゲティングタグに対応したと発表した。これにより、すでにYahoo!タグマネージャーの共通タグを自社サイトに設置している広告主は、新たにタグを設置することなくBypassのダイナミックリターゲティング機能を利用することができる。クライアントのワンタグがますます普及する中、Yahoo!タグマネージャーはスタンダードとなりつつある印象である。
「TerminalOne Platform API」で顧客のFBXアクセスを実現
MediaMathは、同社が提供する「TerminalOne Marketing Operating System」のAPIを通じて、広告主がFBXインベントリーにアクセスできる機能を追加した。広告主は、T1 FBXワークフローを最適化し、スケールするためにカスタマイズされたツールの開発が可能となる。MediaMathのウィル・ショバイリ上級副社長(技術担当)は、「今回の統合で、マーケターにとってモジュールを最大に利用した柔軟なオペレーティング・システムの構築に重要な一歩を踏み出した。」と語った。
台湾のアドテクノロジー大手Appierが日本進出
台湾のアドテクノロジー大手Appierは、新たに日本オフィスを設立するとともに、同社が提供するアジア初のクロスデバイスターゲティング配信サービスを 日本でも開始すると発表した。同社の海外支社設立は2014年6月にセコイヤ・キャピタルの出資を受けてからは初めてのことである。日本担当ヴァイス・プレジデントには、楽天で国際広告部長を務めるなど長きに渡ってインターネット広告業界に携わってきた井料武志氏が就任する。
(編集:三橋 ゆか里)
ABOUT 大山 忍
ExchangeWire Japan 編集長
米国大学卒業。外資系企業を経て2000年にネット広告効果測定ツールを提供するベンチャーに創業メンバーとして参画。その後、バリューコマース株式会社と合併。
2007年1月にオムニチュア株式会社(現Adobe)に参加、コンサルティングサービスを立ち上げる。ビジネスコンサルタントとして米国のベスト プラクティスを日本の課題やニーズに合わせて提供、ウェブ解析やガバナンス(データ主導の組織・仕組化)に関する執筆・講演を行う。