先週のアドテクシーン:動画広告在庫拡大の期待、業界で高まる!?LINE、「LINE NEWS」アプリに “5秒動画” でニュースがわかる「動画ダイジェスト」を開始
(ライター:Livit Tokyo 岡 徳之)
広告テクノロジー業界を定点観測するExchangeWire編集部が、過去一週間に起きたトピックの中から特に注目すべきものをピックアップしてお届けする。
LINE 、「LINE NEWS」アプリに “5秒動画” でニュースがわかる「動画ダイジェスト」を開始
LINEは、「LINE NEWS」アプリに5秒のニュース動画サービスを追加する。その場ですぐに動画の再生が開始されるため、ユーザーはテレビのザッピングを楽しむ感覚で、すきま時間にさまざまな動画ニュースを視聴することが可能。以前より動画でのニュースまとめの需要は高まっており、今回LINE NEWSで実現した形となる。まだまだ国内の動画在庫は不足しているため動画広告の普及の上でも注目されている。
セプテーニ、中国に現地法人を設立 中国におけるインターネットマーケティング市場を開拓
セプテーニは、中国に現地法人を設立し、同地域のインターネット広告市場を開拓する。6カ国8拠点目の海外拠点となるが、中国はネット文化が他地域とは異なり独特であり、撤退する外資企業も多い。これを前提に同社がどのような展開を図るか、注目されるところだ。
電通、世界主要都市のデジタルサイネージにリアルタイムでコンテンツを配信するサービスを開始
電通は、Posterscopeと提携し世界の主要都市のデジタルサイネージにリアルタイムでコンテンツを配信するサービスを始める。1月12日より順次開始していく。配信ツールにはPosterscope社が提携している「Liveposter」を利用する。Liveposterは、そのネットワーク下にある世界中のサイネージに対してリアルタイムにコンテンツ配信ができるだけでなく、第三者データとの連動や数万通り以上のクリエーティブを同時に生成する強力なCMSを持ち合わせている。
ヒトメディア、ビッグデータ分析企業 エフビーランクの株式を一部取得し子会社化
教育と異文化交流のサービスを提供するヒトメディアは、Facebook、LINE、Instagramといった主要SNSに特化したデータ分析企業である株式会社エフビーランクの株式を一部取得し、子会社化した。現在、国内ユーザー限定であるエフビーランクのサービスをヒトメディアの支援の元、海外ユーザーに向けて展開していくことで、インバウンドプラットフォーム事業との相乗効果を目指す。
トランスコスモス、オムニチャネルマーケティングツール「OFFERs」とフリークアウトDMP/DSPを連携
トランスコスモスは、同社の子会社が提供する実店舗データソリューションの「OFFERs」とフリークアウトのDMPを連携させ、オムニチャネルマーケティングを実施する。連携したDMPからDSPを通じオンラインへ広告配信をする。今回の提携により、OFFERsで取得するオフライン系データをフリークアウトのDMPに蓄積されたオンライン系データと統合し、より一人ひとりにパーソナライズされた広告の配信が可能となる。
CCCマーケティング、DSP「ONE by AOL」にて購買傾向を用いた広告配信を開始
CCCおよびCCCマーケティングが保有する実店舗の購買行動から推計した「興味/関心カテゴリ」や性別・年代別といった「デモグラフィックカテゴリ」を作成し、「ONE by AOL」を通して広告配信する。これにより今までのWEB行動データだけでは実現できなかったカテゴリを生成して広告配信に活用できるようになる。国内最大級の会員情報を持つCCCの取り組みであるため注目度が高い。
コマースリンクの「DFO」、店頭在庫情報を自動収集し登録できる「ローカル在庫広告」向けデータ作成サービスを開始
Eコマース向けソリューションを提供するコマースリンクは、Googleの「ローカル在庫広告」に登録するためのデータを作成するサービス「DFO for GoogleLIA」の提供を開始した。これにより、広告主は新たなシステム開発や運用作業が不要になるほか、サイトクロールシステムが自動で毎日実行されるため、広告主のサイトに掲載されている最新の情報をGoogleのシステムに登録・維持することが可能となる。
オプト/マーシュ/トライベック・ブランド戦略研究所、3社でO2O調査サービス「Insightlog Research」を開発
オプト、マーシュ、トライベック・ブランド戦略研究所の3社は、生活者の心理行動の変化をオンラインとオフラインで横断し時系列に可視化するためのサービスを開始する。マーシュが提供する既存のインタビュー調査、日記調査に加え、該当ユーザーのスマートフォンのブラウザ閲覧履歴データを掛け合わせることで、実際の行動に基づいた心理の変化を捉える調査を実現した。監修はアダプティブが行った。
D2C Rの「ART DMP」、Tapjoy社が提供するマーケティングオートメーションツール「Tapjoy」と提携
D2C傘下のD2CRが提供する「ART DMP」がマーケティングオートメーションツール「Tapjoy」と提携をした。これによりTapjoyのSDKで取得したデータをART DMPにも取り込み、同サービスの軸で分析などが可能となる。また、同様に特定セグメントユーザーへのプッシュ通知なども可能となるため、データ分析から運用までを一貫して行うことが可能となる。
サイバーエージェント、リアル行動ターゲティングによる動画配信を実現するDSP「BitBlend」の提供を開始
サイバーエージェントは、位置情報など多様なデータを柔軟に組み合わせたリアル行動ターゲティングによる動画配信をDSPを通じて実現する。企業の顧客データや広告配信データに加え、位置情報を組み合わせることで、ユーザーの行動や生活シーンに応じた最適な動画広告配信を実現した。今年はスマホ動画にさらに付加価値を加えたサービスが多く登場することを予感させる。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。