ヤフー2015年度第1四半期決算、広告収入はインフィード広告が寄与し対前年比プラス9.5%増と好調
ヤフーが2015年度第1四半期の決算を公表した。連結売上高は1105億円、対前年同期比プラス10.6%増と二桁成長を達成、営業利益は491億円、対前年同期比プラス0.8%増となった。
広告収入は633億円、対前年同期比プラス9.5%増と好調に推移した。
ヤフー2015年度第1四半期決算説明会資料(PDF)より抜粋
広告収入のプロダクト別ではディスプレイ広告が271億円、対前年同期比プラス29.5%と大幅に増加した。今年5月にリリースしたインフィード広告(ネイティブ広告)が売上に寄与した。
一方で、検索連動型広告は362億円、対前年同期比マイナス1.8%、スマートフォン向けパートナーサイトからの売上減が主な要因となった。
ヤフー2015年度第1四半期決算説明会資料(PDF)より抜粋
今期のサービス側における大きなトピックの一つに、今年5月にYahoo!JAPANへのスマートフォンからのアクセス(PV)数が初めてPCを上回った(スマートフォン比率50.2%)ことが挙げられる。ちなみに広告収入全体に占めるスマートフォン比率は38.3%、金額にして242億円、対前年同期比プラス37.8%増となった。
同社によると、5月にリリースしたYDNのインフィード広告は、当初の想定以上に販売が好調とのことであり、今期対前年同期比プラス60.8%増と大きく売上を伸ばしたYDNの牽引役を果たした。同社は今期(4-6月期)のYDN売上を対前年同期比でプラス40%増程度と見通していたとのことであり、インフィード広告はYDN全体の成長率見通しに対して20%程度押し上げた。
同社は7-9月期について、YDNの売上成長率を対前年同期比でプラス60%増と見通しを立てている。
インフィード広告は現在Topページとニュースページを中心に配信されているが、今後他のメディア面に関しては、適性を見ながらインフィード広告配信の有無について判断をしていくとのこと。今後の配信先候補としては、読み物が多いスポーツ面などを挙げている。
また、Yahoo!JAPAN外部のパートナーサイトのニュース系サイトなどとの連携を強化し、配信面を広げていく予定とのことである。
同社によるとインフィード広告は現在販売先が限定されているとのことであり、買い手側の広がりや、データを活用した精度の向上などを、今後のインフィード広告のポテンシャルとして挙げている。
一方、PC向けのブランドパネルをはじめとするプレミアム広告は、今期は軟調に推移した。
ヤフー2015年度第1四半期決算説明会資料(PDF)より抜粋
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。