世界のネット広告収入、2017年にはテレビ広告収入を超えるとPwCが予想
PwCが今年6月に公表した年次調査「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック2015-2019」では、2017年には世界のデジタル広告収入の成長をけん引するインターネット広告収入(※)が、テレビ広告収入(※)を上回ると予想されている。
(※この予測では、オンラインテレビ広告収入が、テレビ広告、インターネット広告の収入の一部としてそれぞれ計上されている点は注意が必要とのこと。)
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2019年までのデジタル広告収入は年平均12.2%増、広告のデジタル化進展も、非デジタルが引き続き6割強の割合を占める。
PwCは、世界の広告収入総額は2019年まで4.7%の年平均成長率で拡大すると予想。広告収入をデジタル広告収入、非デジタル広告収入に分けると、デジタル広告収入は年平均成長率12.2%増と、非デジタル広告収入の1.2%増と比べると大きく上回る。
だが、非デジタル広告収入は、2019年時点においても世界の広告収入の60%強を占めるとのことであり、デジタル広告収入(デジタル屋外広告収入を含む)の割合は、2010年の16.6%からは大きく拡大するものの、2019年時点で38.7%にとどまる。
デジタル広告の成長はネット広告がけん引、その背景はモバイルとビデオの成長
しかしながら、広告のデジタル化の進展は明らかであり、PwCはインターネット広告を2019年まで最も高い成長が見込まれる広告セグメントと位置付けている。また、2015年から2019年までのデジタル広告収入を牽引する主な要因は、モバイル広告とビデオ広告であるとも述べている。モバイル広告収入は、2019年までの年平均成長率が23.1%と急増し、2018年に世界のディスプレイ広告収入を追い抜くとみられるとしている。ビデオ広告収入は、2019年に世界のスマートフォン接続数がほぼ倍増の38億5,000万に達するのを受け、19.5%の年平均成長率で増加すると見通している。
検索連動型広告は引き続きネット広告の最大カテゴリにとどまる
PwCは、2019年時点の世界のインターネット広告収入において、検索連動型広告が引き続き最も大きなカテゴリとしてとどまるとも予想している。
その割合は、モバイル広告、ビデオ広告などの割合の拡大により減少傾向をたどるものの、2019年時点でインターネット広告収入全体の35.6%と、引き続き最も大きな割合を占めるとのことだ。
ABOUT 野下 智之
ExchangeWire Japan 編集長
慶応義塾大学経済学部卒。
外資系消費財メーカーを経て、2006年に調査・コンサルティング会社シード・プランニングに入社。
国内外のインターネット広告業界をはじめとするデジタル領域の市場・サービスの調査研究を担当し、関連する調査レポートを多数企画・発刊。
2016年4月にデジタル領域を対象とする市場・サービス評価をおこなう調査会社 株式会社デジタルインファクトを設立。
2021年1月に、行政DXをテーマにしたWeb情報媒体「デジタル行政」の立ち上げをリード。